関西の映画界でこの人を知らないとモグリと言われている女性がいます(笑)。
岸野令子さん。
映画の配給・宣伝会社「キノ・キネマ」の代表で、ベテランの映画パブリシストです。
ぼくが映画に没頭していた学生時代、全大阪映画サークル協議会の事務局を担当してはった岸野さんと出会ったので、もう47年前になるんですね……。
古巣新聞社の映画記者として再会した時、「昔、映画の感想なりをいろいろ投稿してくれはったね」とぼくのことをよぉ覚えてくれてはりまして、そのことがすごくうれしかったです。
その後、今日までおつき合いさせていただいていますが、ぼくにとっては、たくましいお姉ちゃんみたいな存在です(笑)。
そんな岸野さんが2冊目の単著『ニチボーとケンチャナヨ 私流・映画との出会い方2』(せせらぎ出版)を出版しはりました。
おめでとうございます!
「ニチボー」はロシア語、「ケンチャナヨ」は韓国語で、ともに「ノープロブレム(どうってことありまへん)」という意味らしいです。
先日、ありがたく謹呈していただき、さっそく興味深く読破しました。
香港国際映画祭、釜山国際映画祭、全州(チョンジュ)国際映画祭、カンヌ国際映画祭、ベルリンのアジア女性映画祭、山形国際ドキュメンタリー映画祭、東京国際映画祭……。
1991年から30年間にわたり、各地の映画祭の詳細なリポートが綴られています。
ルポ・ライター顔負けの筆致です。
とりわけ韓国映画、女性映画、ドキュメンタリー映画へのこだわりが、当時の現地の雰囲気や多くの映画人と出会いを添えて、随所に出ていました。
ぼくと同じように、岸野さんも「現場主義者」なんやとわかりました。
コラムも面白かった。
何でもかんでも英語で「処理」する風潮を揶揄した「“英語帝国主義”からの脱却を」は熱烈に納得しました(笑)。
ホンマに映画がお好きなんやなぁ~と改めて実感しました。