武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

大阪 映画

「大阪映画』で最初に撮られたハリウッド映画が『やさしい狼犬部隊』と判明!!

投稿日:2024年4月17日 更新日:

大阪でハリウッド映画のロケ撮影が行われたのは、1989年の『ブラック・レイン』が最初と思っていました。

リドリー・スコット監督が松田優作(遺作)を主演に起用したあの有名な犯罪アクションですね。

ところが、すでに1955(昭和30)年に撮られていたんです!

その映画とは『やさしい狼犬部隊(THREE STRIPES IN THE SUN)』。

コロムビア映画の製作・配給です。

進駐軍の占領下にあった1950(昭和25)年、米陸軍「狼犬部隊」のオライリー軍曹(アルドー・レイ))が、大阪のカトリック系孤児院「聖家族の家」を支援した事実を映画化したものです。

が、内実はその軍曹と通訳の日本人女性とのメロドラマ……(笑)。

米テレビドラマ『奥さまは魔女』の初代ダーリン役のディック・ヨークが部下の兵士に扮していました。

チャック・コナーズも。

うら若き中村玉緒さんも出てはりますよ。

大阪駅、梅田新道、大阪城、住吉大社、阪和線「鶴が丘駅」周辺などが映っており、「聖家族の家」はバラックの米軍宿舎が使われていました。

そこは後に長居公園(東住吉区)になります。

郷土の歴史・文化の保全活動に取り組んでいるFACEBOOK友達の筒井由美子さんからこの映画のことを聞かされ、何とDVDまで送ってくれはりました。

「大阪映画」をライフワークにしているぼくは吃驚しました!

この映画の事を全く知らなかったのですから。

そうそう、京都の西京極球場で撮影されたプロ野球大毎オリオンズVS米軍チームの親善試合はなかなか興味深いです。

ともあれ、ハリウッド映画の初「大阪映画」と判明した本作は、記念すべき作品です。

筒井さん、ありがとうございます、感謝、感謝!

-大阪, 映画

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。