武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

映画

シーリズ第24作~『007 スペクター』

投稿日:2015年12月12日 更新日:

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「007」のブランド力は強烈だ。

 

53年間も続いてきたシリーズなのに、24作目の本作が封切られるや、気分が高揚する。

 

6代目ジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグも4度目とあって、板についてきた。

 

SPECTRE © 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq,  LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

SPECTRE © 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq,
LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

ドクロの仮装をした人たちで賑わう「死者の日」のメキシコシティー。

 

その雑踏から現れたボンドがターゲットの人物にライフルを構えるまでノーカットで見せ切る。

 

その後は一転、乱舞するヘリコプターをカットの連続で映し出す。

 

メリハリの効いたオープニングシーンの後、ボンドを標的にした銃口のイメージ画像が現れ、そこにテーマ曲がかぶさる。

 

クレイグ主演では初めて。

 

原点回帰したことが強調される。

 

物語が進むにつれ、題名の犯罪組織スペクターの存在が浮上。

 

過去3作の登場人物が絡み、やや複雑な様相だが、この映画だけを観ても十分、わかる。

 

ボンドの少年期が重要なカギを握る。

 

内省的な場面がいくつもあり、暗鬱なムードも醸し出される。

 

前作『スカイフォール『』(2012年)に続きメガホンを取ったサム・メンデス監督はそこにこだわっていたように思えた。

 

SPECTRE © 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq,  LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

SPECTRE © 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq,
LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

脇筋にボンドが所属する英国政府のMI6(秘密情報部)が別組織に統合される顛末が描かれる。

 

上司M(レイフ・ファインズ)や兵器開発担当のQ(ベン・ウィンショー)、同僚マネーペニー(ナオミ・ハリス)が一致団結する様が面白い。

 

宿敵の男に扮するのが実力派俳優クリストフ・ヴァルツ。

 

毒々しい嫌な男を演じさせれば、この人の右に出る者はいない。

 

ボンドが女医(レア・セドゥ)を伴い、この人物と対峙する場面は心をくすぐられる。

 

愛車アストン・マーティン(最新型)、秘密兵器、ウォッカ・マティーニ……。

 

お決まりのモノが銀幕で確認でき、思わずしたり顔に。

 

007映画よ永遠なれ。

 

2時間28分

 

★★★★(見逃せない)

 

☆TOHOシネマズ梅田ほかで公開中

 

(日本経済新聞夕刊に2015年12月11日に掲載。許可のない転載は禁じます)

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。