武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

ケルト スペインひとり旅(2016年9月)

スペインひとり旅(最終回)

投稿日:

マドリッドの空港からエミレーツ航空で帰国の途に就きます。

日本到着は10日の17時すぎ。

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実質8日間の短い旅でしたが、思いのほか「ケルト」取材の収穫があり、マドリッド以外は初めての地だったので、とても新鮮でした。

思い起こせば、17年前…。

北西部ガリシアで20数日間、みっちり「ケルト」を取材し、その後、ポルトガルを北から南まで列車で縦断。

途中、あちこちに立ち寄り、国境の村へ。

そこでスペイン側の国境の町(バダホス)行きのバスに乗り遅れ、何とかタクシーで越境しました(笑)

そして、南部アンダルシアを10日間ほど放浪。

英領ジブラルタルにも足を向け、アフリカ大陸をうっすら目にしました。

何とトータルで40日間もイベリア半島をうろうろしていました~(*_*)

当時、あまり仕事がなかったので(笑)、時間のゆとりがあったんですね。

あのころと比べ、スペインは全てにおいて実にスマートになっていました。

駅やバスターミナルに着くと、必ずややこしそうな人が近づいて来たのに、今回はタクシーの呼び込みもなし。

いや、昨夜、ほろ酔い気分でマドリッドの路地を歩いていたら、自称サウジアラビア人という青年に「日本人でしょ。日本に何回も行ったことがある。そこに美味しい寿司屋があるので、案内しましょう」と英語で声をかけられました。

生ハムの余韻に浸ってるのに、何で寿司やねん~(>_<)

それに明らかに怪しい。

「ノーサンキュー」と断っても、しつこく着いてくるので、はっきり言うたった~❗

「日本人とちゃいます。ヒマラヤのブータンから来ました」

そのお兄ちゃん、目が点になり、足早に去って行きましたわ~(笑)

閑話休題ーー。

1999年当時、よほど東洋人が珍しかったのか、どこに行ってもジロジロ好奇の視線を浴びていましたが、それも皆無。

時代の流れですね~。

スペインの人は総じて基本的に明るく、愛想がいいですね。

昨夜のバルのお姉さんがその典型。

それに喋りも多い~(*^^*)

こうした気取りのない庶民性がぼくにはすごく心地いいです。

ほんま、大阪人とおんなじですわ~(笑)

スペイン語が大阪弁に聞こえて仕方なかった~(^-^)v

他によく似た国はアイルランド、南イタリア、ギリシャ、ルーマニア~かな。

やはりアイルランド以外はラテン系ですね。

今回はマドリッド以北の限られたエリアでした。

アンダルシアの濃密な風土に比べると、いかんせん淡彩に感じられましたが、それでもお隣のポルトガル人からすると、かなり開放的で熱い。

じゃあ、イタリア人と比較したらどうか?

北イタリアの人よりずっと体温が高く、南イタリアの人とほぼ同等かもしれない。

イチビリ具合はアイルランド人の方が上~(笑)

何を比較してんねん~(*_*)

それにしても、今回の旅ではよく飲みました。

トータルでバルを何軒回ったのかわかりません。

昼はビールかワインとタパスが当たり前。

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平日というのに、昼前から飲んではる人もぎょうさん見かけまして、それにつられ、ぼくも何回か「朝酒」しました~(笑)

シェリー酒とはほんま、縁がなかったです。

スペイン=シェリー酒と思っている人が多いかもしれませんが、バルに置いてないんですよ。

今、ビールを飲んでいるマドリッド空港のバルにもありまへん~(>_<)

結局、スペインに来て一度もシェリーを口にしなかった~。

前回はアンダルシアでイヤというほど飲みまくったのに~。

今回訪れた地域は北部ということもあり、「シェリー=アンダルシアの地酒」のイメージが強いのでしょうかね。

日本のスパニッシュ・バルは結構、シェリーをメインにしているお店が多く、アンダルシアに特化しているのがよくわかりました~。

まぁ、そんなこんなで、ハプニングはいろいろあったけれど、これといったトラブルもなく、体調を崩すこともなく、多くの出会いがあり、ほんま、素晴らしい旅になりました~(*^^*)

行き当たりばったりの旅が、ぼくにはやっぱり一番性に合うているなと改めて実感。

いつもこんな感じですが~(笑)

旅の醍醐味もそこにあるのではないかと思うてます。

今回の取材成果は、ここ数年、続けてきた古代ケルトの旅の一環として来年辺り、一冊の本にまとめる予定です。

つまりベネルクス3国(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)、ポルトガル南部、フランス南西部、ドイツ南西部、そして今回のスペイン・メセタ(中央台地)。

「ケルト」の取材……、古巣新聞社を辞めた1995年から毎年欠かさず続けています。

このトランク、ボロホロになってきましたが、よぉ持ち堪えてますわ。

来年はどこになるのでしょうか?

「愛読」してくださり、ありがとうございました❗❗

-ケルト, スペインひとり旅(2016年9月),

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。