武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

南インド・タミルナードゥ州紀行(2018年5月)

(9)南インド・タミルナードゥ州への旅~9日目(5月27日)

投稿日:2018年6月2日 更新日:

さぁ、今日が旅の実質的な最終日。

明日は日本へ帰るだけです.

今朝、朝食時(朝食付きでした!)にホテルのレストランで、昨夜の日本人男性と再会しました。

朝食の時間が来ても、いっこうに食事の用意ができていないことにお互いイライラ~(>_<)

顔を見合わせて。

(^.^)/~~~

「やっぱりイラチ(「せっかち」の大阪弁)でんな(笑)

2人して大笑い~(#^^#)

結局、チャイがなかなか出てこなかったので、「飲むのん止めまひょか」~と相成りました(笑)

大阪人はどこへ行っても、大阪人ですな~。

バスターミナルから7時50分発のバスに乗ってチェンナイへ向かいました。

インドの田舎のバスに乗るのもこれが最後か……。

妙に感傷的になりました~(^^;)

エアコンのないおんぼろバスですが、走行すると、自然の風が車内を駆け抜け、ほんまに気持ちがええです~(^_-)-☆

それに車内のヒューマン・ウォッチングもまたオモロイ~(^.^)/~~~

チェンナイまでの5時間40分(運賃が約350円)のロング・ジャーニーです。

午後1時半、8日ぶりに大都会チェンナイ(旧マドラス)に戻ってきました。

ホテルは街の中心部エグモア駅近辺で難なくゲット。

インド旅行の宿泊は飛び込みで十分いけることを再認識しました。

どの街でもホテルがあちこちにありますから。

チェックイン後、ホテルのバーで〈ビール・ブレイク〉をしたら、出された銘柄が「British Empire(大英帝国)」でした。

初めて見たブランド~!!

タミルナードゥ州で生産された甘味の強いビール。

大英帝国ーー。

その南インド植民地支配の拠点がまさにこの地でした。

ビールを飲み干してからリキシャを拾い、海辺(ベンガル湾)に近いセント・ジョージ砦へ向かいました。

イギリスが1600年のカルカッタ(現在名コナカタ)に次いで、1639年に東インド会社を設立した場所です。

植民地時代を偲ばせるレトロな建物が博物館になっており、その前にはキャノン砲が海に砲身を向けていました。

館内はビクトリア女王のメダル、東インド会社の歴代総督の肖像画など、大英帝国の威光を示す展示品がズラリと。

そんな中、インド独立運動に身を投じた活動家たちの記録を留めた展示室がひときわ光っていました。

大英帝国の全盛期は18~19世紀末で、ビクトリア女王が英国領インドの皇帝を兼ねた1877年にピークを迎えました。

その礎を築いたのが、アジア貿易を一手に担った東インド会社(本社・ロンドン)でした。

まさにアジアにおける先兵として大英帝国の植民地支配を支えていたんですね。

1947年の独立後もインドは宗主国イギリスとの深い関わりをなかなか断ち切れていません。

インド人の話す英語はイギリス英語だし、優秀な学生はこぞってオックスフォード、ケンブリッジの両大学に留学する傾向にあると聞いています。

インドから搾取しまくり、罪作りなことをしたイギリスに対し、今なお憧憬を抱いている、そんな風に思えるのです。

博物館を出て、植民地時代にイギリス人が建造したジョージタウン(旧市街)に足向けると、都市開発の波に呑み込まれ、空き家が目立ち、解体されている建物もありました。

それでも、現存する古いエリアはすごい活気~❗

日本の昭和30年代の商店街みたい。

同じころにイギリス人の手で造られたセントラル駅も改修を重ねながらも往時の面影をそこはかと感じさせます。

構内は人、人、人であふれ返っていました。

エグモア駅も賑わっていました。

「マドラス」がイギリス色を完全に一掃できるのは、はて、いつになることやら……。

インド最後の夜は、舌がとろけそうなほど美味な極辛のマトン・カレーで締めました。

-南インド・タミルナードゥ州紀行(2018年5月),

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。