武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

フランス南西部紀行(2014年夏)

(8)フランス南西部紀行~ラ・ロッシュ

投稿日:

ぼくの一番好きなフランス映画、それは『冒険者たち』(1969年)です。

 

飛行機乗りのマヌー(アラン・ドロン)、自動車整備工のローラン(リノ・バンチュラ)、前衛造形芸術家のレティシア(ジョアンナ・シムカス)。

 

それぞれ自分の夢を断たれ、絶望的になっていた3人がアフリカのコンゴ沖に沈んでいる財宝を取りに行く。

 

そこにギャングが絡み、さらにレティシアに対するマヌーとローランの恋情が重なる。

 

夢とロマン。

 

ジョゼ・ジョバンニの小説を名匠ロベール・アンリコ監督が実に素晴らしい映画に仕上げました。

 

その最後の舞台が、海に浮かぶ要塞でした。

 

コンゴで死去したレティシアの生まれ故郷から見える人工島で、そこでマヌーがギャングに殺される……。

 

ボイヤール要塞。

 

それをこの目でしかと見たくて、アングレームから大西洋岸の港町ラ・ロシェル(LaRochelle)にやって来ました。

 

ラ・ロシェルは非常に瀟洒な町です。

 

 

観光地ですが、ほとんどがフランス人です。

 

海外からの観光客はそれほどいません。

 

旧港から遊覧船に乗りました。

 

おそらく、『冒険者たち』目当てにしている人はぼくだけかもしれません。

 

1時間ほど揺られ、ようやく要塞の近くに達しました。

 

おーっ!

 

思わず声を上げてしまいました。

 

 

 

180457年にかけて建造された軍事要塞です。

 

映画撮影時は、ここに「上陸」できましたが、老朽化が著しいとの理由で、それがあたわず、船から眺めだけ。

 

裏手に回ると、補修工事が行われていました。

 

それでも、ぼくは十分、満足、満足。

 

アラン・ドロンが語りかけるように歌った『レティシア』のテーマ曲が脳裏をめぐり、ひとり悦に入っていました。

 

ほんま、来てよかった。

 

何でも現場を踏まなあきまへんなぁ~(^_-)-☆

-フランス南西部紀行(2014年夏)

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プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。