武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

ポーランド紀行(2011年夏)

ポーランド紀行(3)~食べモノ、飲みモノ

投稿日:2011年8月11日 更新日:

ポーランド紀行の3回目は、重たかった前回とはガラリと打って変わり、飲食です。
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これ、美味しそうでしょ?
実際、めちゃうまかったです。
ビゴスというポーランドの代表的な料理。
キャベツ、ザウアークラウト、ひき肉を煮込んだもので、サッパリ感とコッテリ感が絶妙に絡み合っています。
写真のビゴスはレストランで食べたものです。
シャレ込んでパンを容器代わりに使っていますが、普通はシチュー皿で出されます。
屋台ではプラスチックの皿でした(右側)。
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左の黒っぽいのが臓物の煮込みです。
スコットランドの郷土料理ハギスとよく似た味だったので、おそらくヒツジでしょう。
ぼくには屋台のビゴスのほうが口に合っていました。
味が濃厚で。
なにせこんな大鍋で煮込んでいるんですからね。
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ビゴスの値段は、レストランでは20ズウォティ前後、屋台ではその半分。
1ズウォティは約30円なので、それぞれ600円と300円ほどになりますね。
ポーランドの物価は、日本人の感覚からすれば、3分の1くらいで、本当に安く感じます。
これも国民的な食べ物です。
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餃子にそっくりでしょ?
皮は餃子とほとんど同じで、具はひき肉、チーズ、キノコなどいろいろ。
ニンニクは使っていません。
上にソースやタレをかけて食べます。
なかなかいけますよ。
何だか「王将」にいるような気がしました。
「コーテル、イーガー!」~(笑)
これも屋台のほうがうまかった。
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ほんま、焼き餃子ですね。
スープも欠かせません。
これはジューレックといいます。
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発酵したライ麦を使った一番ポピュラーなスープ。
酸味がうま味になっています。
この写真のスープは具が少ないですが、普通はゆで卵、ソーセージ、ハム、ジャガイモなどが入っています。
ポーランドの食べ物はハズレがなかったです。
どれも美味しく、食生活の偏差値はかなり高いと思います。
日本人の口によぉ~合います。
パンは、オーストリア産の塩パン、シュレッテルがよく食べられていました。
屋台でも売られています。
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総じて屋台の食べ物がうまかったですね。
北部の港町グダニスクにはズラリと立ち並んでいて、壮観でしたよ。
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そうそう、おやつ代わりにヒマワリの種をパクパクと口に入れている人をよく見かけました。
だから、市場や屋台で種をいっぱいつけたヒマワリそのものが売られていて。
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ビールのアテ(ツマミ)にうってつけです。
そのビール、日本とおなじタイプのラガー(ピルスナー)が大半で、地ビールが多いです。
ヨーロッパに行くと、ぼくはカフェやバールでは、よくワインをオーダーするのですが、今回はビール党になりました。
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なかなかコクがあって……、エビス・ビールとそっくりなビールもありました。
真夏なのに、ホットワインを味わいましたよ。
ヨーロッパの夏は、晴れておれば、ほんとうに爽やかで、心地がいいです。
湿気がないので、ぼくには楽園と思えるほどでした。
ところが、一旦、天気がぐずつくと、途端に気温が下がってきます。
寒い、寒い。
そんなときは、ベルモット(強化ワインの一種)を温め、レモンを添えたホットワインが欲しくなります。
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上のホットワインは、養命酒のような味でした。
おかげさまで、いっぺんに体が温まりました。
アルコールの王様といえば、ポーランドではウォッカです。
ウォッカはロシアで誕生したと思われていますが、ポーランドが原産地です。
薬草の入ったズブロッカは日本でもよく知られていますが、現地ではごまんと種類があり、とてもやないけれど、全て制覇することができませんでした(当たり前や!)。
ウォッカとリキュールのボトルを一挙、公開~!!
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珍しいものが多く、バーテンダーの人には目に毒かもしれませんね(笑)。
下のウォッカは熟成感があり、まったりした味わいに酔わされました。
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そんなわけで、ポーランドでは食べること、飲むことに関しては90点でした。
足らない10点は~???
お店のサービスがいまひとつのところが所々、ありましたので。
その格差が激しい。
22年前まで頑なな社会主義体制だったので、しかたがないかもしれませんが、そろそろサービスが均一化されることを期待しています。

-ポーランド紀行(2011年夏)

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プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。