武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

日記

成田一徹さんの切り絵展&村上春樹のマラソン・エッセー

投稿日:2011年5月29日 更新日:

切り絵
切り絵作家、成田一徹さんの展示会(6月5日まで)を鑑賞しようと、台風接近でどしゃ降りの中、兵庫県は三木市の市立堀光美術館へ足を伸ばしました。
梅田から阪神電車で神戸の新開地へ、そこで神戸電鉄に乗り換えます。
自宅を出てから2時間近くもかかりました。
三木を訪れたのは初めて。
街中を散策したかったのですが、あいにくの天気とあって、すぐに美術館に直行しました。
成田さんがライフワークにしてはるクラシック・バー、神戸の街頭風景、京都の職人、往年の映画俳優……。
111点の切り絵はまさに「一徹ワールド」!!
自分の世界をしっかり確立してはり、どれも見応え十分でした。
美術館にご本人が来てはりまして、解説付きで鑑賞できました。
「社会人になって嫌な仕事をしている時、切り絵を学んだんですよ。好きだからここまでやってこれたんでしょうね」
好きだからという成田さんの言葉に納得、納得。
行きと帰りの電車の中では、作家、村上春樹のエッセー『走ることについて語るときに僕の語ること』(文春文庫)をむさぼるように読んでいました。
この人、ぼくの5つ年上で(あっ、成田さんと同い年!)、30年近くランナーをやってはります。
フルマラソンは20数回、100キロのウルトラマラソンにも出場経験があり、ぼくとは違って、ホンマもんのランナーです。
頭が下がります。
走るようになった動機、走ることの意味、それが小説を書くこと、生きることとどうつながっているのか、そういうことを実体験を踏まえて綴られています。
目下、ランニングにのめり込んでいるぼくには全てが刺激的でした。
この本を読んだら、めちゃめちゃ影響を受けるやろうな~と予測はついたものの、やっぱり心にガツーンときました。
ぼくは春樹さんのようにゆめゆめストイックな人間ではないので、ハードな練習方法などを真似るわけにはいかないけれど、参考になることが多々ありました。
そのひとつが生活のリズムを変えること。
走り始めてから夜型から朝型にシフトさせ、それが執筆活動の原動力になっているというのです。
早朝に起き、午前中に大事な仕事をこなす。
以前から、そうしたいと思っているのですが、なかなか実行が伴わず……。
一気に変えるのが無理なら、少しずつでも生体時計を前倒しにしていこうという気が芽生えました。
それと、目標にしたいと思ったのがこれ。
絶対に歩かない!
いったん走り出したら、これだけは守り続けていきたいと思いました。
きょうは1949年生まれのお2人からあれこれとインスパイアーされ、なかなか素敵な1日となりました。
阪神も楽天に勝ったようですし(^o^)v

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。