大阪を拠点に精力的に活動されているカメラマン、生原(いくはら)良幸さん。
お弟子さんの守屋由美さん(高校の後輩)を通じて、何度か生原さんの作品を目にし、言葉を交わさせてもらったことがあります。
すごく気さくなお方です。
その生原さんの集大成ともいえるオールカラーの写真集『花の景』(講談社、定価4,950円)が守屋さんから贈られてきました。
ありがとうございます〜❗️
表紙に大写しされた、能面をつけた演者の姿に思わず吸い込まれそうになりました。
『梅若桜雪の名舞台へ 写真でいざなう能』
サブタイトルのごとく、観世流シテ方(主役)能楽師、梅若桜雪(うめわか・ろうせつ、五十六世梅若六郎)さんの舞台が写真集に活写されています。
稀代の名手といわれる人間国宝です。
2006年以降、生原さんが桜雪さんを撮り続け、全59演目を一挙、掲載。
どの写真からも体温と吐息が如実に感じられ、ページを繰るのを忘れさせるほどの〈オーラ〉が伝わってきました。
ぼくは能には明るくありませんが、胸を射抜くような写真の数々と平易な解説文(日英対訳)でこの古典芸能のイロハが手に取るようにわかってきました。
「日本人が胸の奥に隠し持つ言葉や表現できない感情(魂)を解放し、そして共鳴したい。目の前の真実を見失わないよう、なにかが乗り移ったかのような瞬間とその表情を狙った」
生原さんが謝辞で記された言葉がちゃんと作品に投影されていたと思います。
全く飽きさせない写真集です。
これを機に、一度、桜雪さんの舞台を観劇せなアカン、強くそう実感しました〜✌