武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

シチリア+マルタひとり旅(2023年4月9日~21日)

(3日目)シチリア+マルタひとり旅

投稿日:

昨夜、全く想定外のハプニングでやっとこさ見つけた、パレルモ旧市街のプチホテルで爆睡し、今朝は午前5時すぎに早起きしました。

なぜなら、大好きなイタリア映画『ニューシネマ・パラダイス』の舞台になったパラッツォ・アドリアーノ村に行くから。

今回の旅の大きな目的です!

パレルモからガイド付きのツアーがあるみたいですが、とことん自力による個人旅行を貫く身としては、公共交通機関の利用しか考えられません (笑)

そのパラッツォ・アドリアーノ村行きのバスは1日に2本だけ。

日帰りなら、現地を15時半に出るバスに乗らなければならないので、6時半のパレルモ発のバスしかないんです。

つまり今日は全てこのためだけに費やすことになりますが、まぁ、シチリアの田舎の村でのんびり過ごすのもよろしおます。

バスはてっきりパレルモ中央駅前に隣接するバスターミナルから出ていると思いきや、そうではなかった。

駅の正面らしい。

そこに行くも、バス停の表示がなく、いろんな人に訊いてやっと乗り場が分かりました。

バス停くらい設置せなあきまへんな。

そこで突っ立っていたら、中年男性から「パラッツォ・アドリアーノ行きはここか?」(推測)と尋ねられましたがな (笑)

目的地は、パレルモから南東へ約50キロの山あいの村です。

途中、村々を寄っていき、くねくねとした山道を登っていくので、2時間20分もかかります。

ホテルの朝食は8時からなので、パスし、街中のカフェでエスプレッソ+めちゃめちゃ甘いクロワッサンで朝食を取り(トータルで2.20ユーロ)、それだけでは足らんので、果物屋でバナナを買い、バスの中で食べていました。

乗客はぼくを入れて5人。

しかし、途中からぼく1人だけになってしまい、貸し切り状態に(笑)

これでバス会社の経営が成り立っているんでしょうかね。

車窓の風景は緑がいっぱいで、緩やか丘陵は、英国ウェールズの田舎を彷彿とさせ、時折、山の斜面にびっしり張り付いた村がメリハリを与えてくれます。

緑が広がる車窓の風景

山肌にへばり付いた村

途中で下車したおじいさんの背中に哀愁が……

ホンマ、心が和まされるバスの旅。

そうこうするうちに、終点のパラッツォ・アドリアーノ村に着きました!

時間は8時50分。

パレッツォ・アドリアーノ村に到着

   ☆    ☆    ☆    ☆    ☆

帰りのバスの時間(15時半)まで6時間以上もあるので、とことんのんびり過ごしました。

『ニューシネマ・パラダイス』の中でよく映っていた、噴水のある広場は「ウンベルト1世広場」と言います。 

この光景を眺めていると、エンリオ・モリコーネが作曲したあの情感あふれるテーマ曲が頭の中に流れてきました。

ウンベルト1世広場

映画館「シネマ・パラディソ」は映画のために作られ、劇中に壊されたので、今は何も残っていません~。

映画のために作られた映画館

広場に面した村役場に映画のミニ博物館があるんですが、あろうことか役場が改修工事中とは……、ガックリ!

博物館は工事中……(涙I

完工が3月23日になっているのに、今だに工事の真っ最中。

何でやねん!?

村と近郊を散策しました。

村の全景

何せ人口約2,000人の小さな村なので、唯一の観光客である日本人のぼくがチョロチョロうろつき回っていたので、何人もの村人から「また会いましたなぁ」(おそらくこう言うてはると思います)と声をかけられました。

すっかり有名人ですな~(笑)

『ゴッドファーザー』で一躍、知られるようになった苗字「コルレオーネ(Corleone)」のルーツと言われる村が、この近くにありましたが、シチリアにはコルレオーネ村が何カ所もあるみたいですね。

コルレオーネ村まで10キロ

午前中、無性にカプチーノがほしくなり、カフェ+バールに入ると、早くも朝っぱらからデキ上がっていたおっちゃん連中が陣取っていました。

朝っぱらからええ塩梅(笑)

「どっから来はったんや?」

「あの映画で来はったんやな」(推測)

などと声がけされ、致し方なく、ワインを飲まざる得ない状況になりました(笑)

皆さん、イタリア語でべらべらまくし立てはるので、何を喋ってはるのかちんぷんかんぷんでしたが、同じ〈飲み同志〉、何となく理解できました、ホンマかいな(笑)

とにかく陽気で愉快、めちゃめちゃええ塩梅でした。

ランチを取るため、村の唯一のレストランへ。

お客は最後までぼく1人だけでした。

女将さんの言葉を翻訳アプリで聞くと、「定食、どないですか?」。

料理を考えるのがしんどいので、「それでお願いします。あと白ワインも」と言うと……。

チーズ+サラミ+オリーブの前菜、ひき肉のパスタ、何かわからんオリーブに手を加えた一品、そしてメインのラム肉+ソーセージ+ミニハンバーグ。

ボリューム満点の定食

わっ、こんなに食べれるんかいな~と思ったけど、赤ワインを追加してチビチビやりながら、晩酌気分でやっていると完食できました!

愛想が良かった女将さん

女将さんに『ニューシネマ・パラダイス』の話を振ると~。

「撮影時は毎日がお祭りでしたわ」

「トトに扮した、地元出身のサルヴァトーレ・カシオは今、〇〇〇〇〇(理解不能)で元気に暮らしてはりますわ。もう40歳すぎの中年ですわな」

最後に、「映画で『オレの広場だ』と叫んでた、けったいなおっちゃんは?」と訊くと~。

「知りまへんなぁ、あの人、パレルモ生まれのプロの役者とちゃいますか」

などなど有意義な会話を楽しめました。

お礼に浮世絵美人の絵はがきを渡すと、お返しでデザートを出してくれはりました。

見るからに甘そうなデザート

見るからに甘そう……、もう食べられへん、ギブアップ~

なので、これは持ち帰りに。

そんなわけで、パラッツォ・アドリアーノ村で、めちゃめちゃ贅沢な時間を過ごせました。

1日潰してやって来てよかった、ホンマによかった~

昨日のトラブルの〈見返り〉かもしれませんね。

で、ほろ酔い気分でパレルモへ戻りました。

蛇足ですが、昨夜、予約しながら、受付にだれもいなかったレジデンスのスタッフから「体調不良で早退しました。フォロー態勢が取れず、非常に申し訳ございませんでした」とお詫びのメールが届いていました。

もう遅いわ!

  ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆

パラッツォ・アドリアーノ村のレストランで、ボリューム満点のランチ(定食)を平らげたので、夜になってもなかなかお腹が減らず、晩飯はホテルの自室でビール+バナナだけ。

その簡素なディナーを食しながら、残りの旅の日程を固め、宿を予約しました。

ホテルのおじさんに訊くと、今週からいきなり観光客が増え、飛び込みで宿を確保するのは難しいかも~と教えてくれはったからです。

宿をめぐるハプニング(トラブル?)で苦い体験をするのはもう二度とゴメンやし、そんなことで時間を費やすのはもったいないし。

で、ありがたいアドバイスに従い、スマホと格闘しながら、シチリアとマルタの宿を予約できました。

といっても、3か所だけですが、確かに混んでましたわ。

ついでにシチリア→マルタのフェリーの予約も完了。

いつもは行き当たりばったりなのに、まさか旅先でこんな作業をするとは思わなんだ。

まぁ、普通は旅立つ前にやっておくべきことなのでしょうが。

   ☆     ☆     ☆     ☆     ☆

さて、話は変わって、シチリアと言えば、マフィアを思い浮かべますね。

映画『ゴッドファーザー』の影響があまりにも大きいですから。

こんなエプロンがお土産に!

1980年代はパレルモの街中でドンパチが結構あったそうですが、別にシチリアに限らず、日本でも暴力団組織の抗争で同じようなことがありましたよね。

もちろん現在、パレルモにマフィアはいますが、別段、治安が悪いとは感じませんでした。

何となくその筋の人らしき男性を何度も見かけたけれど、ウラを取れないので、果たしてマフィアかどうかはわかりません。

向こうからマフィアが現れてきそうな雰囲気(笑)

パレルモ中央駅はちょっと怪しい空気が……

撮影したことに気づいたこの娘さん、「ちゃんとキレイに撮れた?」(推測)

そうそう、昨日の夕刻、ホテルに戻る途中、目抜き通りを歩いていると、宝石店の前にパトカーと警察官が……。

すわ、宝石強盗~!

ちょっと取材したら(笑)、店員と客とのバトルやったみたい。

2人とも顔面、血まみれ。

ケンカの原因は知らないけど、やっぱり血の気が多いんやなぁ。

現場の写真は撮れなかったのが残念。

-シチリア+マルタひとり旅(2023年4月9日~21日)

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プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。