武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

シチリア+マルタひとり旅(2023年4月9日~21日)

(2日目)シチリア+マルタひとり旅

投稿日:2023年4月24日 更新日:

パレルモ空港近くのB&B(ベッド・アンド・ブレックファスト)で爆睡し、朝食を堪能後、空港からシャトルバスでパレルモ市内へ。

空港近くのB&B

シチリア最大の都市で、州都でもあるパレルモは人口約66万の都会です。

案の定、目抜通りや観光スポットは国内外の観光客でいっぱい、完全にコロナを脱していました。

目抜き通りは観光客でいっぱい

バロック調の建物が多いです

人の多さにうんざりしながら、『ゴッドファーザー PARTⅢ』の悲劇のクライマックスシーンとなったマッシオ劇場へ。

荘厳なマッシモ劇場

1897年に幕を開けたヨーロッパ有数のオペラ劇場です。

その荘厳かつ威容さに圧倒されました

映画では小さく感じられたのに……。

ええ塩梅で、下町を散策すると、めちゃめちゃ庶民的で、すごい活気、ぼくの大好きな世界が広がってきました。

庶民的な空気が充満

ランチは、家族経営の屋台で、タコのカルパッチョ(3ユーロ)、蒸しエビ(7ユーロ)、アランチーノ〈ライスコロッケ〉(1.5ユーロ)、そしてビールの小ビン(2ユーロ)。

とにかく、ビールによぉ合いましたわ。

家族総出で屋台を経営

タコのカルパッチョ

蒸しエビ

ご飯とひき肉をトマト味で揚げたライスコロッケ「アランチーノ」

英語が全く通じなかったけど、可愛い女の子が恥ずかしそうに料理を持ってくる姿に心が癒されました。

ほかにもいろんな店がありました。

家族総出で屋台を経営

   ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆

パレルモはあまりにも雑然としていて、人も多いので、昼下がり、電車に乗って約50分、近郊のチェルファーへ足を伸ばしました。

そこは、イタリア映画『ニューシネマ・パラダイス』(1988年)で、青年になった主人公トトが野外上映会を開いたところです。

上映途中、雷雨に見舞われ、離ればなれになっていた恋人のエレナがいきなり現れるという感動のシーンでしたね。

海岸に面したロケ地があの時のままで、ホッとしました。

ロケ地は健在でした!

映画のそのシーン

青年トトが旅立った駅が近くにあるんですが、駅舎が取り壊され、跡形も残ってないそうです。

そんなこんなで、夕方、電車でパレルモへ戻ってくると、想定外の「えらいこっちゃ 」がありました。

   ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆

パレルモ中央駅の荷物預かり所で荷物をゲットし、今朝、ホテル予約サイトから利便性の良さに惹かれて予約を入れたゲストハウスに向かうと、あろうことか、「closed」の表記が!

えっ、予約ができてたのに、何で??

何度、電話をかけても応答なし。

一体、どういうこっちゃ!?

怒るよりも先に、とにもかくにも早く善後策を取らなあきません。

時刻は午後6時、そろそろ宿を確保しないとヤバくなる。

そこで、駅のベンチに座り、宿屋の予約サイトを調べましたが、パレルモのホテルはほとんど満室。

えらいこっちゃ!

コロナ禍が終わり、4月から観光シーズンに入ったみたい。

次にホテルサイトに掲載されていない駅前のホテルに飛び込みで入るも、やはり満室。

これはホンマにヤバい……。

そのホテルの受付のお姉さんに必死で事情を説明すると、ネットであれこれと調べてくれ、ようやく一室、見つけてくれはりました。

やった~、ありがたい!

あれっ、そのホテル、さっき予約サイトで最初に見て、満室になっていたレジデンスでした。

訊くと、「先ほどキャンセルが出たのでしょう」

わっ、ラッキー!

すぐさま、そのレジデンスに駆けつけると、あろうことか受付に誰もおらず、電話やメールをしても返答なし。

スタッフもいつまでも経っても来ない……。

ホンマ、どないなってんねん。

時間は午後7時を回ってました。

さすがに焦ってきた。

こうなったら、『地球の歩き方』に載っているホテルに軒並み電話するしかない。

ところが、スマホのバッテリーがダウン!

わっ、どないしよ。

三隣亡ですな。

咄嗟に、レジデンスの受付カウンターに入り、電話を勝手に拝借しました。

1軒目、2軒目はダメ……、ところが3軒目のホテルが「空室ありますよ」との返答。

やった~!!

思わず、目頭が熱くなりました。

『地球の歩き方』がこんなにありがたいと思ったことはなかったです(笑)

そのホテルは旧市街のど真ん中にあり、迷路のような路地が入り込んでおり、あっちへ行ったりこっちへ行ったりして、なかなかたどり着けない。

スマホで位置情報をチェックすれば造作ないんですが、あいにくバッテリー切れなので、仕方なく、『地球の歩き方』の地図を頼りにするも、分かりにくい。

そのうち、アフリカ系のお兄さんが「ええ宿ありまっせ」と近づいてきて、いくら断っても、しつこく言い寄ってくる。

そこで、伝家の宝刀を使いました。

「ホンマにしつこいんや。ええ加減にしとけよ~!」

大阪弁での怒りのカツ!!

これ、どこに行っても効果てきめんですね。

彼、血相を変えて退散しましたがな~(笑)

やっとこさ、目的地に到着。

もう8時前でした。

そこは家族経営のこぢんまりしたホテルで、おじさんの対応もすごく優しかったです。

「ここを見つけられて、ラッキーでしたね」

分かりやすい英語での言葉にまた涙ぐんでしまった(笑)。

何とか泊まれたミニ・ホテル

海外へは数え切れないほど出向いていますが、宿探しでこんなケースに遭ったのは初めて。

インドでもこんなことなかった。

というわけで、結果オーライ、今宵、野宿をせずに済みましたわ(笑)

旅の2日目にこんな目に遭うとは……、あゝ、疲れた。

-シチリア+マルタひとり旅(2023年4月9日~21日)

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。