先生と呼べるお方が、またおひとり、黄泉の客になられました。
三島祐一先生。
享年、87。
今日、告別式に参列させてもらいました。
日本近代文学の研究者で、谷崎潤一郎と堀辰雄をご専門にしておられました。
大阪のエッセーも忘れられません。
四天王寺大学名誉教授、「船場大阪を語る会」の会長。
ぼくが日本ペンクラブの会員になった18年前にご縁ができ、ペンクラブの京都例会やその他、文学セミナーなどでお目にかかると、気さくに声をかけてくださいました。
大阪・船場は道修町生まれの生っ粋の浪花っ子とあって、ほんまモンの大阪言葉です。
「ケルトちゅうたら、ロマンを感じますが、えらい難しおますやろ」
「武部さん、こんどはヨーロッパのどこに行きはりまんねん」
「ケルトもええけど、大阪の映画の本もまた書きなはれや」
ポンポンと軽快に飛び出す言葉に、ぼくはいつも心をくすぐられました。
昨年10月の京都例会でも、大阪の行く末について2人して熱っぽく語り合っていました。
その時は実に闊達で、まさかその3か月後に鬼籍に入られるとは……。
ご著書も贈ってくださり、恐縮していました。
元日に拝受した年賀状の添え書きが何ともユーモラスで、しかも飄然としていて、新年早々、ほっこりさせられました。
あの空気感は三島先生ならではです。
古き良き時代の大阪を知り尽くし、大阪をこよなく愛された三島先生。
ほんまに寂しいです。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
天国からたまに声をかけてくださいね。
今日は本戎。
オダサクさん(織田作之助)の命日や!