フランス・アルザスのストラスブールから典型的なローカル列車に揺られ、ドイツのザールブリュッケン(Saarbrucken)へ。
1両編成のディーゼル車とはいえ、れっきとした国際列車です。
フランスと接するドイツ西部のザール地方は19世紀から石炭と製鉄業で栄え、第二次大戦後はフランス領でしたが、1957年の住民投票で西ドイツ(当時)に組み入れられました。
アルザスとロレーヌ地方も同様、国境の地域は戦争の度に国がころころ変わりました。
地続きであるがゆえの「悲劇」ですね。
島国の日本ではなかなか実感が湧きません。
この地の利権を巡り、これまで独仏が対立し、度々、戦争を引き起こしてきました。
つまり、バルカン半島とよく似た「火薬庫」。
それを平和裏に解決しようと、1951年に周辺国の協力を得て設立されたのがECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)でした。
それが今日のEU(欧州共同体)の母体。
その超国家的な組織がギリシア危機で大きく揺らいでいます。
テレビのニュースでは、戦後70年ともどもEUの特集がよく放映されています。
これから先、どうなるんやろ?
こちらに来ると、いろいろ考えさせられます。