翌日(15日)、ホテル最上階の展望のいい「レストラン」で、南インド風味の朝食をとりました。
米の蒸しパンともいえるイドリーとそれをドーナッツ状に揚げたヴァーダ。
ややスパイシーなスープと一緒に食べると、かなり美味い~!!
チャイ(紅茶)も申し分ありません。
このホテルを気に入ったので、もう一泊することにし、トリヴァンドラムの街を散策しました。
ケララ州の州都で、人口は約75万人。
思いのほかクリーンな街でした。
中央駅の前にはオートリクシャー(オート三輪のタクシー)がいっぱい客待ちをしています。
なかなかの活気。
旧市街のある駅の南側に行くと、雰囲気がガラリと変わり、一気に庶民的な空気に包まれました。
とりわけ、ヴィシュヌ神を祀るパドマナーバスワーミ寺院の界隈は巡礼者が多く集まり、すごく賑やか。
その近くにあるガナパティ寺院にも多くの人が参拝していました。
ガナパティとは、象の頭をもったガネーシャのことで、南インドではこう呼ばれています。
いきなりヒンドゥの濃厚な世界に足を踏み入れ、インドへやって来たことを実感!!
しかし、こういう宗教的な彩りとは対照的に、この街のあちこちで「赤旗」を眼にしました。
ケララ州は共産主義の地盤が強いところらしいです。
ヒンドゥの世界とは対極。
何だか面白いです。
気温がどんどん高くなり、午後になると、35度近くにもなっていました。
ビールがほしい……。
ヨーロッパの「ケルト」取材旅行では、かならずビールやワインでノドを潤していたのですが、インドでは飲むところが見当たらない~(‘;’)
ケララ州は、基本的に禁酒地域とのことで、大っぴらにお酒を飲めないらしい。
だから、ライセンスのあるごく一部の酒場しか無理なんです。
炎天下、そんなお店を探そうと必死になっていましたが、なかなか見つからない。
そこで道に立っていた男性に思い切って聞きました。
「すんません、どこかビールを飲めるところ知りませんか?」
その男性は「どうしても飲みたいのか」と念押ししました。
「Yes」
反射的にそう答えると、路地裏のとあるバーに連れて行ってくれました。
店内は薄暗く、どことなく妖しげな感じ。
テーブル席に腰を下ろし、「ビール、ください」と注文したら、向こうのカウンターでお金を払ってほしいと。
そこで、びっくりした!!
ビール1本(中瓶くらい)が何と500ルピー~(*_*)
日本円にして約1000円。
日本ならまだしも、インドでは法外な値段だ。
安宿なら、2泊も3泊もできる。
でも、今さら退室できないし、もうしゃーない。
覚悟を決めた。
瓶ビールは、南インドでポピュラーな「KINGFISHER」という銘柄のストロングタイプ(アルコール度数が8%)でした。
あまり冷えていなかったけれど、乾燥状態だったぼくのノドにはこのビールはしびれるほど美味かった!!
そのうち、ぼくの斜め前の席に30代とみられる男性が坐りました。
他に空いているテーブルがあるのに、けったいやなぁと思いましたが……。
その男性はビールを半分ほど飲むと、ワインをオーダーしました。
ワインは、元ポルトガル領だったゴアで生産されているインド産のポートワイン。
それをビールのジョッキの中に入れ、一気飲みしました。
すごい飲み方をするなぁ……。
驚いていると、この男がチラチラこちらを見ながら、ブツブツと独り言を。
その眼差しが何やら熱い~(‘;’)
うん、これはおかしい!!??
周りを見ると、男同士で手をつないでいる人もいます。
こちらに来て、手をつないで歩いている青年をよく見かけましたが、これは明らかにちがう「オーラ」でした。
ここはひょっとして……。
ぼくは残っているビールをグビリと飲み干し、あわてて外に飛び出しました。
ギラギラと照りつける陽光とアルコールによる酔いが重なり、クラクラ状態。
アルコール度数8%のストロングタイプなので、想定外にまわった~(*_*)
しばし路上にへたばり、酔いが醒めるまでボケーっとしていました。
そのままビールを置いて出ればよかったかもしれませんが、お酒を残すなんてことは断じてできません。
哀しい性(さが)です~(#^^#)
というけったいな(ヤバい?)経験をインドに来ていきなり経験しました。
チャン、チャーン~(^_^.)