武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

南インド紀行(2015.2.14~27)

南インド紀行(3)~初めての列車の旅

投稿日:2015年3月2日 更新日:

3日目(16日)

 

インドの列車に初めて乗りました!!

 

トリヴァンドラム中央駅から南のカニャークマリへの急行「KANYAKUMRI号」。

 

窓口で、「カニャークマリへ行きたい」と言うと、英語の堪能な女性スタッフがてきぱきとコンピュータをたたき、切符をくれました。

 

運賃は75ルピー(約150円)。

 

約83キロもあるのに、この値段とは驚き。

 

日本の物価からすれば、だいたい10分の1~7分の1くらいですが、とくに公共交通機関の運賃はほんとうに安いです。

 

でも、インドの人にとっては、75ルピーはそれなりに価値があると思います。

 

大阪から和歌山市の少し向こうくらいの距離ですから、近郊列車ですね。

 

はて、どの車両に乗ればいいのかわかりません。

 

切符には何も記されていません。

 

そのうち電気機関車に牽引された急行列車が到着しました。

 

ホームは結構、混み合っています。

 

列車が停まる前から、どんどん人が飛び降り、停車するや、降りる人よりも先にみな乗ろうとする。

 

すごい、すごい!

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ひと昔前の大阪で見た光景です~(笑)

 

こら、アカン~!!

 

懐かしがっている場合ではありません。

 

このままでは乗れなくなる。

 

そう思って、すいている車両を探していると、一番後部の車両が比較的、混み具合がマシでした。

 

その車両に入り、空いている席にちょこんと坐りました。

 

すると、乗客からクスクスと笑い声が……。

 

いったい、何やねん??

 

キョロキョロしていたら、向かいの席に坐っていたおばちゃんがひと言。

 

「ここは女性専用車両です」

 

えっ!!

 

道理で、女の人ばっかりやった~(*_*)

 

このパターン、以前、大阪の地下鉄御堂筋線でもやったことがありますわ(笑)

 

「Sorry!!」

 

あわてて飛び降り、前の車両に飛び乗ったら、思いのほかすいていました。

 

ちょっと席を詰めてもらい、何とか腰を下ろすことができ、これでひと安心。

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午前9時半発。

 

時間通りでした!!

 

いろんな人が乗ってはります。

 

商売人っぽい人、修行しに行く高校生、訳のわからん人……。

 

そのうち売り子が次々と登場。

 

チャイ、サモサ、揚げパン、まったく知らないパン様のモノなどなど。

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車窓の風景は実にのどかです。

 

ヤシの木が生い茂る中、水田が広がっています。

 

水田を見ると、アジアなんだと思いますねぇ。

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途中の駅から、イケメンの青年がぼくの横に坐りました。

 

完璧な英語(もちろんインド訛りがありますが……。

 

見るからにインテリジェンスが高そう。

 

訊くと、工科大学を出て、エンジニアをしているそうです。

 

ぼくが日本人だと知ると、日本のことについていろいろ質問されました。

 

彼も終点のカニャークマリまで行くと言っていたので、一緒に下車しました。

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列車は45分遅れで、午後零時55分に到着。

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3時間25分の鉄道の旅でした。

 

なんでこんなに時間がかかるねん~!?

 

でも、快適でした!

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「宿は予約してるんですか?」

 

青年が心配してくれました。

 

「ノー、行き当たりばったりの旅です」

 

駅を出ると、眼の前にホテルがあったので、そこに泊まると言ったら、「えーっ!」と驚いていました。

 

カニャークマリはインド亜大陸最南端の地です。

 

旅の最初にここに来ることができるとは……。

 

胸が高まってきた!!!!

-南インド紀行(2015.2.14~27)

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。