インド最南端のカニャークマリ(コモリン岬)とその周辺で3日間、のんびりと素晴らしい時間を満喫できました。
はて、次はどこに行こうか?
あれこれ思案した末、タミール・ナドゥ州の中部マドゥライへ向かうことにしました。
ヒンドゥーの大寺院がある、いわば宗教都市です。
移動は長距離バス。
午前6時半、カニャークマリのバス・スタンドからマドゥライ行きのバスに乗りました。
バス・スタンドと言ってもバス停ではありません、インドではバス・ターミナルのことをこう呼んでいるんです。
バスはかなり年季が入っていましたが、思いのほかきれかったです(*_*)
プラスチックの窓がついています。
でも、ほとんど壊れているみたい。
走行距離が235キロもあるのに、運賃が何と152ルピー(約300円)~!!
ほんまに安い~!
チケットはてっきりバス・スタンドで購入するものと思いきや、すべて車内で車掌さんから買うシステムになっていました。
北インドではバス・スタンドで買う場合が多いと聞いています。
車掌さんがよく働く。
バスに人が乗ってくると、すばやくその人の元に近づき、チケットを販売。
切符はしょぼしょぼの紙に金額が印字されています。
どの乗客がどこで下車するのか車掌さんはちゃんと覚えていて、停車する場合は笛で知らせています。
これもひと昔の日本のバスの車内ですねぇ。
インドでは家族以外、公の場で男女が席を一緒にするのはあまりよろしくないとのことで、バスの車内は女性が前の方、男性が後ろの方に座るという暗黙のルールがあるみたい。
そんなこと知らないから、前よりの席に座っていると、若い女の子に囲まれていました~(((^^;)
完全に浮いてます~(笑)
可愛い子が多く、別に居心地が悪いわけではありません。
いや、むしろその反対です~(^○^)
「外国人特権」を活用して(笑)、このまま知らんぷりを通して座っときました~(*^^*)
このあと何度か長距離バスを利用しました。
鉄道とはちがって、バスの路線は南インド全土に張り巡らされています。
都市間を結ぶ幹線ルートのバスは、それこそ30分に1本運行されています。
それでも乗客が多く、立っている人がぎょうさんいてはります。
日本や欧米の長距離バスでは絶対に考えられませんね。
ほんまに人口が増えていると実感できました。
とくに子供が目立つ。
みな表で元気よく遊んでいます。
かつての日本の姿がそこにありました。
そこそこの町のバス・スタンドに到着すると、トイレ休憩やランチ休憩(時間帯によっては夕食休憩)があります。
長くて15分程度です。
同じ色の同じ型のバスがズラリと停まっているので、自分のバスを覚えるのが大変。
「車のナンバーを撮影しとけばいいよ」
優しい車掌さんがこんなアドバイスをしてくれ、それがとても役に立ちました。
売店が立ち並ぶバス・スタンドは雑然としており、人でごった返しています。
すごい活気!
バスの車内はヒューマンウォッチングをするのに最適の空間ですね。
いろんな人が乗ってはります。
後日、すごい光景を目撃しました。
前の方に座っている2人のおばちゃんが突然、ケンカをし始めたんです。
理由は何かわかりませんが、他の乗客のことを全く気にせず、めちゃめちゃ大きな声で罵り合っています。
車掌さんと乗客は知らん顔です。
そのうちぼくの2つ前の席の赤ちゃんが、口論にびっくりして、「ビェーツ!!」と大泣き。
若いお母さんが必死であやしてはりましたが、赤ちゃんの泣き声がヒートアップするばかりで、車内は騒然たる状況になりました。
ほんまにうるさい、うるさい!!
しばらくして、ケンカをしていた1人のおばちゃんが下車し、車内は元の秩序に戻りました。
気がつけば、赤ちゃんもスヤスヤと~(^-^)
面白いなぁ~と思って、何気に足元を見ると、靴がどうも変な感じ。
靴の底がベローンとはがれてしまっていたのです~(T_T)
普段は裸足にサンダル履きで歩き、移動の時だけ靴を履いているのですが……。
日中、日差しの照り返しが強烈で、アスファルトや土道の地表温度がおそらく50度近く達していると思われます。
愛用していたこのスポルディング(SPALDING)の靴がそれに耐えきれなかった~!!
これまで、ヨーロッパの「ケルト」取材旅行でどんなに歩いてもびくともしなかったのに、インドであっけなくオジャン~(T_T)
参った、参った。
恐るべしインドの熱射~!!
この際、買い換えず、インド記念にこのまま帰国しよっと~(^-^)
バスの中で靴を撮影していたら、乗客がみな覗き込んではりました(笑)