武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

お酒を飲みながら読むのにオススメする本(11)

投稿日:2011年2月7日 更新日:

【今読んでおきたい本】
『剣の天地』 池波正太郎
*新潮文庫 1979年
本(13)
家来の命を救うため、あっさりと自分の城を捨てたあと、剣士としてその道を極め、新陰流の創始者となる。
木刀では怪我を負うと、竹刀を発明した人で、いわば剣道の生みの親でもある。
戦国乱世のさなか、こんな武将がいた。
上泉伊勢守。
自分の地位や名誉より他者を重んじ、しなやかに生き抜いた男の生涯を筆者が清々しく綴る。
「心と躰は二つにして一。一にして二つに分かれている」
頭でっかちになっているぼくには主人公の言葉がズシリと胸に響く。
どこか硬直化した今の社会。
再度、読み解いていきたい。
お酒をこよなく愛した小説家の作品だし。

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プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。