武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

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歌舞伎……、悠長さが何とも心地よい~♪

投稿日:2010年5月6日 更新日:

歌舞伎
長いGWが終わり、きょうから日常がスタート。なかなかエンジンがかかりませんが、まぁぼちぼちやっていきましょう。
きょうは、本当に久しぶりに歌舞伎を観に行きました。
大阪・道頓堀の松竹座で上演中の團菊祭五月大歌舞伎。
團菊とは、言わずもがなですが、江戸歌舞伎を代表する市川團十郎と尾上菊五郎のことです。
出し物は、『本朝廿四考(ほんちょうにじゅうしこう)』、『京人形』、『髪結新三(かみゆいしんざ)』。
最後の『髪結新三』は、いつの時代にも悪がはびこるんやな~と改めて実感させられました。
菊五郎の小悪党ぶりが光っていましたよ。
大学2年生のとき、今は跡形もない道頓堀の中座で歌舞伎を初めて観て以来、折に触れて、舞台に接してきました。
生粋の浪花っ子とあって、やはり上方の世話物が大好きです。
歌舞伎を観るといつも思うのは、えらい悠長な世界やな~ということ。当たり前ですが。
何でもますますスピードアップ化されるこの時代に、なんとまぁゆったりとした……。
その中でとことんごだわって「様式美」を追求しています。
江戸時代はやっぱりのんびりしていたんやな~と思います。
歌舞伎が生まれたころは庶民の芝居でしたが、いつしか高尚な舞台芸術へと変質してきました。
何だか“特権的”な演劇……。
西洋のオペラもよく似ていますね。
年月が経つと、たとえどんなに通俗的なものであっても、権威的になってくるものです。
それがちと鼻につくのですが、歌舞伎とか文楽とか、いわゆる古典芸能は、時代がどう変わろうが、頑なにペースと伝統を守り続けているところに、ぼくは文化を感じます。
だからこれからも歌舞伎を観続けていこう。
歌舞伎を堪能できるのは、心にゆとりがあるから。
そんなことを考えながら劇場を出ると、不思議と歩調がゆったり、ゆったりとしていました~♪♪

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。