ヨーロッパの基層文化のひとつ「ケルト」にぼくが取り憑かれてから、10数年が経ちました。その間、ヨーロッパの各地で「ケルト」に関連した数多くの遺跡や遺物に接してきましたが、なかでも印象深かったのがこの写真の人頭像です。
なんとなく面白いでしょ? チェコの首都プラハの国立博物館に展示されている、高さ25センチほどの小さな像です。個性的な風貌と言いましょうか、いちど眼にすると忘れられないほどのインパクトを受けます。実際、この像と対峙した瞬間、強烈な〈オーラ〉を放っているのを感じ、ぼくはしばし金縛り状態になりました。
「ケルト」の神様といわれています。古代ケルト人は八百万(やおよろず)の神を信じていたので、そのうちのひとつなのでしょう。どんな神様なのかはわかりません。1943年、プラハの近郊で発見されました。
プラハが位置するチェコ西部はボヘミア地方と呼ばれています。ボヘミア・ガラス(クリスタル)で有名ですね。それに流浪の民「ボヘミアン」を思い浮かべます。
そのボヘミアの名は、古代ケルト人の一派ボイイ族に由来するといわれています。紀元前4世紀、ドイツ南西部からこの地に移住してきた部族です。
チェコと言えば、スラヴ人の国というイメージが強いですが、彼らが東方からやって来たのは紀元後の5~6世紀のことで、それ以前はケルト人の定住地だったんです。だからチェコから「ケルト」の神様の像が出土しても、なんら不思議ではありません。ケルト人はヨーロッパのほぼ全域に足跡を残しているのです。
ぼくはこの「ケルト」の神像がとても気に入り、その写真を部屋に飾っています。先日、うちに遊びに来た知人からこんなことを言われました。
「この神サンにメガネをかけたら、武部さんにそっくりですね」
う~ん、たしかにだんだん顔が似てきた~!! 「ケルト」への情熱が顔にも作用してきたのかな。まぁ、神様に近づいてきたと思えば、べつだん悪い気はしなかったけれど。
「ケルト」の神様に似てきた~!?
投稿日:2009年1月31日 更新日:
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