今日は外国映画のベストテンを発表します。どういうわけか、中国、韓国などアジア映画が1本も入らなかったです。
1位:『シャイン・ア・ライト』(アメリカ)*ドキュメンタリー
(ミック・ジャガー、キース・リチャード、監督:マーティン・スコセッシ)
映像でしか体感できないほどのライヴ感に打ちのめされました。コンサート以上!! 人生の先輩としてストーンズの生きざまに憧れを抱きました。すごいパワーをもらった!
2位:『アメリカン・ギャングスター』(アメリカ)
(デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ、監督:リドリー・スコット)
アフリカ系(黒人)マフィアの勃興を、ベトナム戦争を絡めて描いたところがおもしろい。1972年の物語。日本ではあさま山荘事件が起きた年やったんやな~と妙に感慨深かったです。
3位:『12人の怒れる男』(ロシア)
(セルゲイ・マコヴェツキィ、ヴァレンティン・ガフト、監督:ニキータ・ミハルコフ)
社会派映画の傑作と言われるシドニー・ルメット監督の『12人の怒れる男』(1957年)のリメークですが、現在のロシア情勢、チェチェン紛争をベースにして全く違った作品に仕上げていました。ロシア人はみな喋りなんや!
4位:『つぐない』(イギリス)
(キーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカヴォイ、監督:ジョー・ライト)
典型的なイギリス映画。ちょっとしたウソによって、引き裂かれる恋人たちが非常に痛々しい。罪の重さに苦しむ妹もまた哀しい。深~い、深~い人生ドラマでした。
5位:『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(アメリカ)
(ダニエル・デイ=ルイス、ポール・ダノ、監督:ポール・トーマス・アンダーソン)
人間の業とはなにかをえぐった力作。石油を探し当てる山師が人を信用せず、どんどん孤立していく様子に胸が痛くなりました。名優ダニエル・デイ=ルイスの迫真の演技に脱帽!!
6位:『4ヶ月、3週と2日』(ルーマニア)
(アナマリア・マリンカ、ローラ・ヴァシリウ、監督:クリスティアン・ムンジウ)
1980年代、チャウシェスク独裁政権下のルーマニア。「産めよ増やせよ」の国策に反する中絶をテーマに、自由がない息苦しい社会を浮き彫りにしていました。得も言えぬ閉塞感と緊迫感。そこに時代を感じさせられました。
7位:『ラスベガスをぶっつぶせ』(アメリカ)
(ジム・スタージェス、ケイト、ボスワース、監督:ロバート・ルケティック)
スリリングな娯楽作。MIT(マサチューセッツ工科大学)の学生たちが、ラスベガスで数学の才能を発揮し、ブラックジャックで大もうけ。実話というから恐れ入ります。この手の映画は大好きです。
8位:『バンク・ジョブ』(イギリス)
(ジェイソン・ステイサム、サフロン・バロウズ、監督:ロジャー・ドナルドソン)
これも実話。1971年、ロンドンで起きた貸金庫強奪事件を描いたクライム・アクションですが、事件の背後に王室のスキャンダルが関与しているところがこの映画のキーポイント。よくぞ再現できたと感心しきり。テンポもいい。
9位:『その土曜、7時58分』(アメリカ)
(フィリップ・シーモア・ホフマン、イーサン・ホーク、監督:シドニー・ルメット)
3位のところで触れた『12人の怒れる男』のオリジナルを手がけたシドニー・ルメット監督の最新作です。現在、84歳。そんなご高齢とはとても思えないほどエネルギッシュな映画でした。強盗事件を通して、家族のあり方をきちんと描いています。
10位:『いのちの食べ方』(オーストリア)*ドキュメンタリー
(監督:ニコラウス・ゲイハルター)
食材がどういうプロセスを経て、私たちの口に入ってくるのかを淡々と写すドキュメンタリー映画。インタビューは一切なし。あまりにも機械的に処理されている現状に、ただただ唖然……。食べ物を粗末にしてはアカンと思い知らされました。
極私的映画ベストテン2008(洋画編)
投稿日:2009年1月6日 更新日:
執筆者:admin