武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

お酒 バー(BAR) 映画

オリジナル・カクテルの逸品「雪国」、その背景を探るドキュメンタリー映画『YUKIGUNI』

投稿日:2019年2月26日 更新日:

「雪国」――。

川端康成の小説を彷彿とさせるカクテルがあります。

Ⓒいでは堂

グラスのふちに白い砂糖をつけたスノースタイルと底に沈むグリーン・チェリーの美しさ。

この2つが絶妙なるアンサンブルを奏でてくれ、口にふくむと陶酔してしまいそうになる、そんなウォッカ・ベースのショート・カクテルです。

ちょうど60年前(昭和34年)、陸奥(みちのく)は山形県酒田市のバー「ケルン」の店主、井山計一さんが考案されました。

どのカクテルブックにも記載されているスタンダードの逸品。

Ⓒいでは堂

井山さんは御年、92歳(大正15年生まれ)で、いまなおカウンター内でシェーカーを振っておられます。

日本最高齢の現役バーテンダーです。

そんな井山さんの半生を綴ったドキュメンタリー映画『YUKIGUNI』(渡辺智史監督)が今年1月から東京を皮切りに全国各地で順次上映されており、3月以降、関西で相次いで公開されます。

今のところ、3月8日~=イオンシネマ和歌山、22日~=大阪・テアトル梅田、4月6日~=神戸・元町映画館、京都シネマ の予定です。

カクテルとバーにはドラマがあります。

そのことがご本人、ご家族、関係者の証言から浮き彫りにされています。

ぼくの洋酒+バーの盟友ともいえる大阪・北新地のBAR UKのオーナー・バーテンダー、荒川英二さんも出演しています。

この人はカクテル史に詳しく、稀代のカクテルの魅力を的確に解説されています。

Ⓒいでは堂

さらにバーをこよなく愛され、それを切り絵で表現した亡き成田一徹さんも……。

一瞬、目頭が熱くなりました。

Ⓒいでは堂

「日本一幸せなバーテンダーです」

こう語っていた井山さんの笑顔が忘れられません。

残念ながら、ぼくはまだお店にお伺いしたことがありません。

なんとしても井山さんが作られた「雪国」を一度、味わってみたいと思っています。

バー好き、カクテル好き、人が好きな方には必見の映画です。

映画のHP:http://yuki-guni.jp/

-お酒, バー(BAR), 映画

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プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。