武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

南インド・タミルナードゥ州紀行(2018年5月)

(4)南インド・タミルナードゥ州への旅~4日目(5月22日)

投稿日:2018年6月1日 更新日:

チェックインしたマハーバリプラムのゲストハウス。

朝食付きで、完全にウエスタン・スタイルでした。

まだインドに来て4日目ですが、妙に懐かしく感じられます~😁

朝食はインド洋に浮かぶフランス海外県のレユニオンから観光で来た熟年夫婦と共にしました。

お2人の会話はフランス語ですが、英語も流暢~😁

ぼくがレユニオンのことを知っていたので、えらいびっくりしてはりました~😲

「海外でレユニオンに反応があったのは初めて」と奥さん。

ぼくは歴史だけでなく、地理も大好きなんです(笑)

マハーバリプラムは存外に居心地の良い町でした。

ギスギス感がなく、おっとりした空気が漂っています~✨

昨日、訪れた海岸寺院だけでなく、町中には名所がいろいろあります。

なかでも5つの石の建物からなる「ファイブ・ラタ」(世界遺産登録)は必見。

7世紀に造られた傑出した建造物です。

巨大な岩山を削り取って、建物を形作っていったというからびっくりポン~😲

今のタミルナードゥ州の人たち(タミル人)のご先祖に当たる古代ドラヴィダ人の芸術的結晶です。

19世紀に発見されるまで、地中に埋まっていたと言われています。

入場料(海岸寺院と共通)はインド人が30ルピー、外国人が500ルピーと「差別化」されていますが、文化財保護のためと思えば、納得できます。

他にも岩窟寺院やインド神話のエピソードを彫った壁面など興味が尽きません。

あっと驚くのが「バターボール」と呼ばれる巨岩です。

インド神話のヒーロー、クリシュナ(ヴィシュヌ神の化身)の大好物のお菓子バターボールに似ているので、この名がつけられたそうです(笑)

バターボールと言えば、味覚糖かな~😁

今にも転げ落ちそうですが、何十頭もの象が引っ張っても、びくともしなかったそうです。

後ろから見ると、見事にカッティングされています。

不思議ですね~😁

岩山にそびえる灯台から眺めたベンガル湾が素晴らしかった!!

海岸寺院も見えます。

日本ではあまり知られていませんが、マハーバリプラムはインドでは国内有数の観光スポットです。

岩窟寺院でボケーッとしていたら、インド各地からやって来た家族連れの観光客から「一緒に写真を撮りましょう」と声をかけられました。

皆さん、最初に「どこから来はったんですか?」と尋ね、「日本ですよ」と答えると、即、記念撮影と相成りました(笑)

日本人は人気があるんですね~😁

まぁ、人なつっこい人が多いですわ。

大阪人みたい(笑)

最後に来たのが日本人のお年寄りの一団。

いかにもリッチなツアーです。

「こんにちは❗ お暑いですね」

ぼくが愛想よく挨拶しても、皆さん方、犯罪者を見るような目付きをして完全無視。

何でやねん。

胡散臭いインド人に見えたのかな~?

ハハハ~😁(笑)

この日、素敵な出来事がありました~(^_-)-☆

地元の漁師さんからランチを招待されたんです。

インド人化するには(笑)、現地の人とのふれ合いが一番なので、ほんまにうれしかった。

その漁師さんは、昨日、ビーチで知り合ったヴィクラムさん(42歳)。

全く独学なのに英語が堪能で、知的好奇心が高く、初対面で胡散臭さを全く感じられませんでした😁

彼は、訳あって同じように漁師をしているお兄さん(カシナタン)の家族に同居してはります。

ぼくが行くと、近所の子たちもやって来て大歓迎を受けました~✴💡✨

前庭でハトとニワトリを飼うてはります。

ワンちゃんもいました!

ハトは食用ではなく、伝書バトです。

暑さに負けて、思わず「ビール飲めますか」と催促したら、ヴィクラムさんは「ちょっとドライブしましょう」と 。

???

何とスクーターで2人乗りして町外れへ。

どこへ行くねん。

ありゃ、辺鄙なとこに酒屋があったんです❗

そこでビール(もちろん冷えていません)と国産ブランデーを購入しました。

「何で町中に酒屋がないんですか?」

「う~ん、何でか知らんけど、ないんです」

帰宅後、一階の居間に座って昼飯。

料理はカレー風味の焼き魚(アジみたい)、ライス、カレーでした。

魚は右手だけで食べるのは至難の業。

「両手を使わせてね」と許可を得て、ガブリといきました~❗

ライスとカレーはちゃんと右手だけで食べましたよ。

「インド人よりうまい❗」と言われ、照れてしまった(笑)

話が盛り上がったのは、2004年のスマトラ沖大地震による津波の話。

マハーバリプラムも大きな被害を受け、お兄さん家族は必死になって西方の岩山に避難し、事なきを得たそうです。

この辺り一帯は完全に水没し、亡くなった人も多かったらしいです。

「津波のあと魚が捕れなくなりました……」

「日本の津波の悲劇も知っています。放射線汚染が絡んでいるので大変ですね」

兄弟とも日本の事情をよぉ知ってはりました。

他にもいろいろ話が弾み、実に楽しいランチになりました❗

よくよく考えたら、インド人の家に入ったのはこれが初めて。

帰り際、もちろん、お礼の印にしかるべき額のお金をお渡ししました。

夜は南インドの定食「ミールス」をいただきました。

典型的なヴェジタリアン料理です~😁

ほんまに口に合いますわ~(^_-)-☆

そんなこんなで今日も充実していました~(^_-)-☆

-南インド・タミルナードゥ州紀行(2018年5月),

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。