ハンザ同盟ー-。
高校の時、世界史で習い、妙に興味を覚えました。
中世の末期(15世紀)、ドイツ国内で採れる塩(岩塩)を北欧やロシアなどバルト海諸国と取り引きし、隆盛を極めた北ドイツの都市同盟です。
数々の特権を求め、多い時には100以上の町が加盟していたとか。
その盟主として栄華を誇ったのがリューベックです。
威風堂々たるホルステン門、塩の貯蔵庫、市庁舎など、こぢんまりした旧市街のそこいらに往時を偲ばせる建物が残っています。
戦時中、街の大半が破壊されましたが、今や見事に甦っています。
路地に入ると、非常にシックな佇まい……(^_-)-☆
こうしたハンザ同盟の息吹きを感じ取るのがリューベックに来た目的なんですが、実はもう1つあるんです。
2人の作家ゆかりの地。
それがぼくを引き寄せました。
共にノーベル文学賞の受賞者です。
1人はギュンター・グラス(1927~2015年)。
ぼくにとってはドイツ映画『ブリキの太鼓』(1981年)の原作者として記憶に刻まれています。
生まれは現在のポーランドの港湾都市グダンスク(グダニスク)ですが、終いの棲みかがリューベックでした。
「ギュンター・グラス・ハウス」を訪れると、作家だけでなく、画家、彫刻家としての才能も強く認識させられます。
映画『ブリキの太鼓』の日本のポスターを目にした瞬時、懐かしさに胸が打たれました~💡😁
もう1人は、ギュンター・グラスが敬愛していたトーマス・マン(1875~1955年)。
映画愛好家なら、ルキノ・ヴィスコンティ監督の『ベニスに死す』(1971年)をまず思い浮かべるでしょうね。
その原作者。
リューベックの豪商に生まれたトーマス・マンはまさにこの町が誇る文化人です。
自らの一族の4代にわたる盛衰を綴った代表的な長編小説『ブッデンブローク家の人々』の舞台になった祖父母の家が資料博物館になっています。
ぼくは学生時代、この小説を読破しようと思いながら、途中で断念。
いまだに完遂できていません。
「ブッデンブロークハウス」でマンの直筆原稿などを目にし、再度、この小説を手に取りたいと思った次第。
しばし中世と文学の世界に浸れ、すごく贅沢な時間を満喫できました。
リューベックに来てよかった~(^_-)-☆