武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

その他 大阪 日記

田辺聖子さん、天国へ召されました

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大阪の作家、田辺聖子さんが6日に亡くなりはりました。

享年、91。

女性、それも大阪女の心の襞を描かせれば、この人の右に出る作家はいないでしょうね。

女性の心理を知る上でどれだけ彼女の作品が参考になったことか~(笑)

ユーモアとイチビリ。

典型的な大阪人気質を発散させた田辺さんの作品は、独特のエスプリが効いていて、『大阪弁ちゃらんぽらん』などのエッセイはどれも笑いの「玉手箱」でした。

ほんまにこなれた、生き生きとした大阪言葉(関西弁とちゃいまっせ~❗ 一緒くたにせんといて~!)を見事に活字にされてはりました。

そういえば、映画化されたのは『ジョゼと虎と魚たち』だけやったかも。

田辺さんが残したアフォリズム(箴言、金言)の数々……、どれも納得できます~😁

よぉ、人間を見てはりますわ。

『苦味(ビター)を少々』(集英社)からちょっと抜粋。

☆    ☆    ☆    ☆    ☆    ☆

「女は、やさしい男が好きなくせに、男がやさしいと見くびるものである」

「大きな嘘をつくときは、人は、ふつうよりも、いっそうまじめになる」

「一緒に笑うことが恋のはじまりなら、弁解(いいわけ)は恋の終わりの暗示」

「食べ物が安いというのも文化程度の高いことである」

「本音というのは黙ってるから、本音。しゃべると、タテマエになってしまう」

「人生をうまく生きる人というのは、楽しい口実をたくさん考えつく人である」

そうそう、ちょかBandの「ちょか」もちゃんと説明してはりました。

「チョカは、とくに大阪の下町っ子に多かった気ィがする。

注意力散漫、消しゴムを床に転がしたり、墨を隣の席の子の服にこぼしたり、先生の言うことを半分聞いて、いつも早とちりで失敗するような子。

大物ではないと、ひと目で分かる子。

ガサの方は、少し粗暴という意味が加わる」

うまいこと表現してはります。

ぼくと相方のキャラクター、そのもの!

☆    ☆    ☆    ☆    ☆    ☆

『源氏物語』の現代訳など古典にはついぞ親しめませんでしたが、めちゃめちゃ楽しませくれはりまして、ありがとうございました。

天国でカモカのおっちゃんと丁々発止の会話を楽しんでください。

ご冥福をお祈り申し上げます。

合掌。

-その他, 大阪, 日記,

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。