叔父と伯母を同時に亡くしました。
叔父は亡きオヤジさんの弟で、享年87。
叔母はオヤジさんの兄嫁で、享年91。
奇しくも、2人とも22日に鬼籍に入りました。
こんなことって、あるんですねぇ。
正直、ここ数年、叔父、伯母に会ったことも、意識したことも、話題に上ることもほとんどなかったです。
でも、幼いころの記憶を手繰っていくと、2人の存在感の大きさがひしひしと伝わってきます。
旧国鉄マンの叔父は、とてもマメな人で、夏になると、家族旅行を計画し、叔父の一家とぼくの一家でよく各地を旅しました。
白浜、伊勢、伊豆、広島の音戸、山口の長門……。
すべて鮮明に覚えています。
あのころ国鉄のフリーパスがあったそうで、交通費を安く抑えることができたのでしょう。
その経験がぼくに旅好きの種を蒔き、のちに「ケルト」紀行へと結びついていったのだと思っています。
だから、叔父は人生の恩人でもあるのです。
伯母の一家は、ぼくの実家(大阪市中央区龍造寺町)の一軒置いての隣に住んでいました。
大柄で、太っ腹なところがあり、親に叱られたときはいつも伯母の元に避難していました。
「また、悪さしたんやろ」
そう言いながらも、伯母の目は笑っていました。
朝食も、当時、貴重品だったバターをたっぷり塗り込んだトーストを伯母に食べさせてもらったこともあります。
母親の体調が悪いとき、代わりに授業参観に来てくれたり、家庭科の宿題で裁縫をしてくれたり……。
新聞社から内定をもらったとき、まるでわが子のように喜んでくれはったのを覚えています。
ほんま、優しいお人でした。
両親とちがって、おじさん、おばさんとなると、かなり“距離”を感じます。
とくにこちらが年齢を重ねると、時々、気にはなるのだけれど、ますます縁遠くなってきて……。
でも、まちがいなく、ぼくの人生に大きな影響を与えてくれていたのです。
叔父と伯母に出会っていなかったら、きっと今のぼくはないでしょうね。
そう思うと、とても愛おしく感じられます。
そして、感謝の念に胸が熱くなるのです。
おっちゃん、おばちゃん、ほんまにおおきに、ありがとう!!!
叔父が他界したことで、オヤジさんの兄弟姉妹はいなくなりました。
世の無常です。
それを改めて実感しています。