今宵、非常に興味深い映画をDVDで観ました。
なぜDVDかというと、戦時中の1943年(昭和18年)に公開された日本映画だからです。
先日、古い映画マニアのK氏からもらったものです。
題名は『阿片戦争』(東宝、牧野正博監督)。
清朝時代の1840年、英国が中国に密輸していたインド産の阿片を官僚の林則徐が全面禁止したことから紛争(アヘン戦争)が起き、英国が勝利して香港を分捕った史実を描いたスペクタクル大作です。
この映画は当時、香港を占領していた大日本帝国による国策映画として製作されました。
中国人と英国人を日本人俳優が扮し、すべて日本語で喋っています(笑)。
23歳の原節子と19歳の高峰秀子演じる中国人姉妹が翻弄されるところがミソ。
大英帝国=悪の加害者、清国(中国)=善の被害者。
非常に分かりやすい構図です。
林則徐役の二代目市川猿之助はまばゆいばかりのヒーロー!!
確かにあのころ帝国主義の先兵だった大英帝国は好き放題にやっていましたね。。
英国と戦っていた日本人からすれば、この映画は「英国憎し」の感情を植え付けるには格好の作品だったと思います。
国策映画ってこういうことなんですね。
結局、日本は大英帝国の後を追うような形で他国を土足で踏みにじっていった……。
こういう映画が製作されない時代であってほしいと改めて思いました。