日本映画『恋人たち』への想いを書きます。
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もどかしい……。
喉が痛くなるような生き方をしている人物がこの映画で描かれています。
なんでそないに苦しむねん。
なんでそないに辛いねん。
なんでそないに哀しいねん。
彼らが吐息する世界がまさに現代の日本。
逃げ場のない、閉塞した社会の澱みを掘り起し、そこでもがいている人たちに光明を与え、そして心の機微をすくい取ろうとしたのが7年ぶりにメガホンを取った橋口亮輔監督です。
デビュー作『二十の微熱』(1992年)から前作『ぐるりのこと。』(2008年)まで、この人はずっと真摯に人を見据えてきました。
そこで灯されていたのが慈愛です。
それが最大限、昇華されたのがこの映画だと思います。
心が揺さぶられました。
この『恋人たち』に……。
映画のHPは、http://koibitotachi.com/