武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

その他 日記

安保関連法案についての私見

投稿日:2015年9月15日 更新日:

安保関連法案が大詰めを迎えています。

 

自衛隊の海外派兵を可能にし、後方支援とはいえ、戦闘行為が行われることも十分、考えられる極めて重要な法案です。

 

明らかに憲法第9条に違反していると思います。

 

それを内閣の憲法解釈だけで合憲とするのは絶対に無理があります。

 

非常に卑近な例ですが……。

 

野球の試合で、打球がダイレクトではなく、ワンバウンドかツーバウンドでスタンドに入った場合、「エンタイトル・ツーベース」になりますよね。

 

それがルール(規範)です。

 

なのに、「今日の試合から、そういう場合はホームランにする」と野球連盟か主催チームが一方的に通達する。

 

理由は??

 

「最終的にボールがスタンドに入るのだから、ホームランと同じだ」と。

 

これはひとつの解釈ですね。

 

でも、こんなことがまかり通っていたのでは、野球に「節操」がなくなり、ルールの存在意義がありません。

 

そのうち、「内野席と外野席を区切るポールに打球が当たって、スタンドに入ったらホームラン、入らなければファール」と解釈するケースが出てくるかもしれません。

 

現状では、ポールに当たれば、ホームランです~(笑)

 

このようにどんどん解釈が広がっていき、しまいには収拾がつかなくなります。

 

もしそういう解釈を実現したいのなら、球界全体で議論してルールを変えればいいんです。

 

ルールを軽視してはいけない。

 

今回の安保法案はそれとよく似ているように思えてなりません。

 

もしこの法案を通したいのなら、まずは憲法を改正すべきです(非常に難しい(!!)

 

ぼくは変えてほしくありませんが、それが筋です。

 

もうひとつ、日本を取り巻く安全保障の問題です。

 

中国や北朝鮮の動きを踏まえ、状況が厳しくなっている今こそ安保関連法が必要だと指摘されています。

 

確かにその通りですが、でも、でも、かつて米ソ冷戦期、今の中国や北朝鮮以上に旧ソ連の脅威がはるかに高かった!!

 

旧ソ連の戦闘機が頻繁に日本の領空を侵犯し、潜水艦も好き放題に日本近海を航行していました。

 

それを考えれば、少し過剰反応になっているような気がします。

 

もっとも、当時、アメリカが強大だったので、旧ソ連は「牽制」だけで終わらせ、事なきを得ました。

 

今やしかし、アメリが弱体化したからこそ、アメリカを十分、支援できるようにと本法案が提出されたのでしょう。

 

ともあれ、立憲主義のないがしろ、法案が非常にあいまい、国会での答弁が支離滅裂、高まる国民の反対の声、それを軽視する与党の超傲慢な態度……。

 

冷静に考えると、めちゃめちゃな状態です。

 

やはり今国会で採決するのはどうみても早すぎます。

 

廃案になってほしいです!!

 

何でそんなに急ぐねん????

 

以上がぼくの考えです。

-その他, 日記

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。