武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

南インド紀行(2015.2.14~27)

南インド紀行(10)~聖地ラーメシュワラムへ

投稿日:2015年3月7日 更新日:

マドゥライで都会の喧騒にたっぷり浸ったので、無性にのどかな所に行きたくなりました。

 

よし、また海を見に行こう~!

 

そう思って、ラーメシュワラムに行くことにしました。

 

インド亜大陸の南東部から釣り針のようにベンガル湾に細長く伸びている半島の最先端にある街です。

 

そこも聖地で、巡礼地です。

 

スリランカまで目と鼻の先。

 

イギリスのランズエンド、フランス・ブルターニュのフィニステール、ポルトガルのロカ岬……。

 

ぼくは海に突き出た最先端が大好きなんです。

 

先日、還暦の思い出に絶叫してきたインド最南端カニャークマリ(コモリン岬)もそう。

 

ラーメシュワライへはまたまた長距離バスで向かっています。

 

マドゥライから約5時間半。

 

車窓の景色にも飽きてきたので、マドゥライのバス・スタンド(バス・ターミナル)の売店で買った英字新聞を開いたら、あれ、びっくり~!!

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マドゥライで初の日本映画祭~の記事が目に飛び込んできました。

 

本紙と別刷りの書き分けで、結構、大きな扱いです。

 

映画祭は昨日(2月20日)から3日間の開催。

 

オープニング上映作品は、綾瀬はるな主演の『ハッピーフライト』。

 

あと『ロボジー』や『カルテット』など近年撮られた5本が上映されるみたい。

 

黒澤明や小津安二郎といった巨匠の古典映画だけでなく、現代日本を活写した作品をインドの地方都市マドゥライの若者たちに知ってもらうのが目的~と記事に書かれています。

 

この映画祭のことを事前に知っておれば、昨日、会場を訪れることができたのに……。

 

あるいはもう1泊延ばし、今日、行けたのに……。

 

映画を観たいのではなく、映画を観た人たちの感想を聞きたかったなぁ。

 

アカン、アカン、知らん間に記者根性が出てきた~(((^^;)

 

今回は仕事を離れ、のんびりと~。

 

ともあれ、小規模とはいえ、日本映画がこんなふうにインドで上映されているのがたまらなくうれしい~(*^^*)

 

このあと気分よくバスの旅を続け、ちょうど正午にラーメシュワラムに到着しました。

 

バス・スタンドから市街地までは2キロほど離れており、近くに宿屋が見当たらないので、とりあえずリクシャーで中心部まで行ってもらいました。

 

運転手は気の良さそうな人でした。

 

「どこかいい宿、知りませんか?」

 

そう訊くと、鉄道駅の近くのホテルに連れて行ってくれました。

 

ちょっとリッチなホテルでしたが、まぁいいか~(^_^.)

 

今回の旅では、こういう感じで宿をゲットしたケースが多かったです。

 

もちろん、運転手にはチップをはずみました!!

 

といっても、100ルピー(約200円)ですが。

 

海辺はガート(沐浴場)になっていました。

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多くの巡礼者が海水に身を浸し、身体を清めてはります。

 

天気もいいし、ここは絵になりますねぇ~(^_^)

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ぼくの横でカメラ撮影していたインド人男性に記念写真を撮ってもらおうと近づくと、一瞬、顔をこわばらせ、後ろずさりしました。

 

ぼくのことを怖がってはったのか……(*_*)

 

そしてこう言われました。

 

「フィリピンからですか?」

 

「えっ! ちゃいますよ」

 

「それでは、マレーシア?」

 

「No,No,日本人ですよ」

 

「えっ!」

 

今度はその人が驚いてはりました。

 

なにせ日焼けで顔が真っ黒なんですから、しゃーないですわ~(笑)

 

I am not Superman,but Sunburnman.

 

スーパーマンならぬ、サンバーンマン(日焼け男)。

 

このジョーク、結構、受けました~(^_-)-☆

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そう言えば、昨日、マドゥライのホテルのエレベーターで会ったサウジアラビア人のビジネスマンからこんな質問が……。

 

「インドのどこから来られたのですか?」

 

そんなアホな~(‘;’)

 

もう、参りましたわ。

 

見事なアングルでぼくを撮影してくれた男性は「アッサム(インド北東部)の人で通用しますよ」と。

 

ハハハ~、アッサムなら少しアジアがかっているから納得。

 

よし、これからアッサム人で通そう~!

 

-南インド紀行(2015.2.14~27)

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。