武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

南インド紀行(2015.2.14~27)

南インド紀行(9)~ガンジー記念博物館を訪れて

投稿日:2015年3月7日 更新日:

マハトマ・ガンジー(1869~1948年)

無題

イギリスの植民支配下にあったインドを独立へと導いた「建国の祖」。

 

そのガンジーを顕彰する建物やモニュメントがインド国内に数えきれないほどあります。

 

ぼくもインド滞在中、あちこちで眼にしました。

カニャークマリのガンジー記念堂

カニャークマリのガンジー記念堂

 

コヴァーラム・ビーチの立像

コヴァーラム・ビーチの立像

 

 

ティルティラパッリの街中

ティルティラパッリの街中

マドゥライには立派なガンジー記念博物館がありました。

IMG_2434

1921年、反英独立運動に力を注いでいたガンジーが洋服を脱ぎ捨て、終生、民族衣装を貫こうと決意したところです。

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世界最強の大英帝国に対し、非暴力・不服従の運動を全土に広めていった、その信念と勇気には本当に頭が下がります。

 

多民族、多言語、多宗教のインドを束ねるのは想像を絶するほど困難であったはず。

 

ほんまに、ほんまに理屈抜きに偉大な人だと思います。

IMG_2443

ガンジーが生前、「7つの社会的な罪」を記しています。

 

よく知られた箴言ですが、博物館の前庭に書かれていた文言を改めて読むと、どれも当たり前のことなのに、ジーンと胸に迫ってきて、目頭が熱くなりました。

 

真理を突いています。

 

1、Politics without Principles(信条のない政治)

 

2、Wealth without Work(労働を伴わない富)

 

3、Pleasure without Conscience(良識のない喜び)

 

4、Knowledge without Character(個性のない知識=人の受け売りはノーグッド)

 

5、Commerce without Morality(道徳心のない商売)

 

6、Science without Humanity(人間性のない科学)

 

7、Worship without Sacrifice(犠牲を伴わない信仰)

 

最後の7番目は、宗教的な原理主義が台頭しつつある昨今の状況を鑑みると、Worship without Tolerance(寛容なる気持ちを伴わない信仰)とする方がいいかもしれませんね。

 

ヒンドゥ教徒であるガンジーがムスリム(イスラム教徒)と融和したことに対し、ヒンドゥ原理主義者に暗殺された事実があっただけに、余計にそう思います。

 

あと、次の言葉にも感動しました。

 

「私はイギリス国民を憎んでいません。ただ、イギリスの帝国主義が不正義であると言いたいのです」

 

戦時中、「すべての日本人に」というメッセージも発していました。

 

「私はあなたがた日本人に悪意を持っていません。日本人はアジア人のアジアという崇高な希望を持っていました。今ではしかし、それが帝国主義の野望にすぎません。世界の列強と肩を並べたいというあなたがた日本人の野望でした」

 

すべてを見通してはりました。

 

最後に、極め付きの言葉を。

 

「『目には目を』は全世界を盲目にしています」

 

もう一度、リチャード・アッテンボロー監督の映画『ガンジー』(1982年)を観たくなりました。

-南インド紀行(2015.2.14~27)

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プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。