武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

大学

“授業ライブ”~♪♪

投稿日:2012年1月13日 更新日:

金曜日は関西大学社会学部マス・コミュミケーション学専攻の授業日です。
詳しく言うと、ジャーナリスト養成プログラム(JP)7期生の文章実習。
3限目、通常通りの授業を済ませ、さぁ、4限目です。
今日は隣のクラス(前期受け持っていた教え子たち)と合同で、ぼくの“ライブ”を聴く時間になりました。
ちょかBandとしての2人ではなくて、ぼくひとり、ピンで~!!
想像力と創造力、そして「好きの力」のすごさとは何なのかを体感してもらおう。
それが建前上、授業ライブの趣旨です(笑)。
反対した者はいなかった(少なくともそういう声を聞かなかった)ので、今回のスペシャル授業と相成ったわけです。
大声が漏れては他の教室の迷惑になるとの判断で、急きょ、1階のスタジオを使わせてもらいました。
ビデオ映像の実習などで活用されている、まさにテレビ・スタジオのミニュチュア版といった感じです。
どんなに叫んでも、絶対に外に聞こえませんわ。
事務のスタッフの方がそのスタジオに受講生が座れる分のイスを並べてくれはりました。
粋な計らいに、ただただ感謝です。
ありがとうございます!!
にわか“ステージ”はこんな感じです。
授業ライブ(1)
何だか『徹子の部屋』にいるような気分に浸りましたわ(笑)
学生たちはみなちょこんとイスに座り、行儀よく待ってくれていました。
昨年、教えたA君もスーツ姿で聴きに来てくれて。
彼は軽音の部員でした。
就活で忙しいのに……、おおきに。
映像実習が後に控えているので、持ち時間は1時間だけ。
あんまり喋ってられないぞ。
それに普段の授業で喋りっぱなしなので、たまには口にチャックをして、ギター演奏と歌に没頭しよう。
そう判断して、1曲目の『ヒア・カムズ・ザ・サン』を弾き始めました。
ビートルズの名曲ですね。
マイクもアンプもなし。
生ギターに肉声です。
実は……、3日前、38・4度の高熱を出し、ウンウンとうなされていて、ようやく熱が下がったところ。
正真正銘の病み上がりです。
完全な鼻声で、劣悪な状態でしたが、こんな経験、二度とできないかもしれないと考えると、声なんか関係ない、ギターを失敗しても関係ないとあっさり開き直ってしまいました(笑)。
11月のファーストライブに来てくれた教え子は「今日の先生、ちょっと違う」と思ったでしょうね。
まぁ、こんな時もありますわ。
で、1曲目を終えた時、なぜか違和感を抱きましてねぇ。
〈あれれ、いつもとちゃうな~〉
堅い、歌っている感じが堅すぎる。
体調とは別にこちらのノリのこと。
〈そや、忘れてた!!〉
あわてて実習室に駆けつけ、ハンチングとサングラスを手にしてUターン。
3限目、めいっぱい先生モードだったので、いきなりミュージシャンモードに変身するのは非常に難しいです。
せめて形だけでもミュージシャンにならんとアカンわ。
そう思いましてね。
それがこの写真です。
授業ライブ(2)
やっぱりこのスタイルが必要ですな~。
やっと落ち着きました。
このあとビートルズの『Let it be』を演ってから、リクエストに応えて、オリジナルの『やけ酒ブルース』。
♪♪ やけ酒や! やけ酒や! やけ酒! やけ酒! やけ! やけ! やけ! やけ! ♪♪
サワリの部分をみんな、照れながら合唱してくれました。
この曲は受けますね。
昨年暮れ、宮城・気仙沼に義援金を届けた時にできた曲『陸(おか)の船』では、学生たちが真剣に耳を傾けてくれました(とぼくは思っています)。
告白、その1。
歌っている時、感情が込みあがり、涙が出そうになりました。
告白、その2。
同時に腰がつりかけた~(笑)。
斜め向いて歌っていたから。
そして1970年にリリースされたニール・ヤングの懐かしの曲『テル・ミー・ホワイ』とモンキーズの大ヒット曲『デイドリーム・ビリーバー』のヨコ文字ソングを2曲挟み、オリジナルの『カルパチアの草原』と新曲『酔いにまかせて』を。
後者では全員、大声で叫びまくって気持ちがよかった。
♪♪ イェーッ! イェーッ! イェーッ! イェーッ! イェー、イェー、イェーッ!! ♪♪
だんだん声が高まってくるって、やっぱりいいもんですね。
これぞライブ!!
時計を見ると、もうすぐ1時間。
早い、めちゃめちゃ早い。
最後の1曲、何にしようか……。
未発表の『セ・ラ・ヴィ』という曲にしました。
お笑い系のワルツ。
若者たちに受けるかなとちょっと心配でしたが、みなクスクス顔を崩しながら、聴いてくれました。
ひょっとしたら一番、気に入ってくれた曲ではないかと内心、思っています。
近々、発表しよう~。
最後のオチは失敗でしたが……。
上田正樹じゃなくて、福山雅治にしとけばよかった(笑)。
世代がちゃいますもんね。
若い彼らには上田正樹は遠い存在でした。
あっ、すんません、わからん人は何のこっちゃ、さっぱりわからんでしょうね。
まぁ、そんなこんなで、授業ライブは無事、終了。
全9曲でした。
こんなにトークを抑えたのは初めて。
少し歌いすぎたかもしれません。
流れに乗ったというか、そんな感じでした。
「先生、もっと喋ってください!」という声もなかったですし(笑)。
ギターは思いのほか失敗が多かった。
1人だと目立ちますな……o(><)o
つくづく2人でやることのありがたさを痛感した次第です。
でも、楽しくギターを弾けて歌えました。
精一杯やってこれだけやれたんやから、OK~!!
いつもながらの自己満足(^o^)v
チャンチャーン。
みんな何かを感じ取ってくれたと思います。
それがこの授業の狙いですからね。
ありがとうね、最後まで聴いてくれて!!
あとで彼らから好意的なメールを何通も受け取りました。
こういう機会をうまく生かせてよかったとしみじみ思いました。
帰り、ギターを背負って、長堀の地下街をテクテク歩いていると、ちょかBandの相方、疋田さんと偶然、バッタリ会いましてね。
お互いびっくり仰天~!!
今日のことを報告すると、「よかったでんなぁ」とねぎらいの言葉を投げかけられ、ジーンときました。
あ~、アカン、鼻づまりがひどくなってきた。
ここら辺りで、ピリオドです。
イェーーツ~!!

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。