武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

映画

あの時代が甦る~ドキュメンタリー映画『ジョン・レノン、ニューヨーク』

投稿日:2011年9月2日 更新日:

ギブソン
このギター、これまで何度もブログに出てきましたね。
ギブソンの「J-160E」。
エレクトリック・アコースティック・ギター(エレアコ)です。
昨年暮れ、縁合って、ぼくの最愛の宝物になりました。
ジョン・レノンとジョージ・ハリソンが1965~66年に愛用していたギターです。
奥のギターは、ヤマハの国産第1号といわれる「FGー150」。
ごく普通のフォーク・ギターです。
ビートルズが解散した高校1年のとき、彼らの音楽の洗礼を受け、すべてのアルバム(LP)を買い求めました。
以来、今日までビートルズはぼくの心の一部を占めています。
秋のライヴでも、このギブソンを使って彼らの曲をやります~♪
(あまり目立たなかった)ジョージ・ハリソンがとにかく一番好きでしたが、ジョン・レノンは特異な存在で、やはり一目置いていました。
昨年、ジョンの思春期時代の実話を映画化した『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』を見ました。
そこにはビートルズの一員として世界に羽ばたいていく直前のジョンの姿が描かれていました。
そしてビートルズの栄光と挫折・失望を経て、彼はパートナーのオノ・ヨーコを伴って渡米し、ニューヨークに移り住みました。
1971年の9月。
ちょうど40年前ですね。
ジョン
(C) 2010 Two Lefts Don’t Make A Right Productions, Dakota Group, Ltd. and WNET.ORG
(C) Ben Ross
ドキュメンタリー映画『ジョン・レノン、ニューヨーク』は、生まれ故郷のイギリスを去り、ビートルズを離れ、自由に思うがままに生きていたジョンの実像に迫っています。
ベトナム戦争真っ最中の時代、ジョンは高らかに反戦の声を上げ、政治的なメッセージを込めた曲をいっぱい作りました。
泥沼化していた北アイルランド紛争などにも目を向け、一大平和運動を展開。
アメリカの当局から睨まれても、それを小ばかにしてコンサート活動を続けていましたなぁ。
ビートルズ時代には考えられないほど、ラジカルになり、別人になったようにすら思えました。
当時、ぼくは高校2年生。
どんどん変わっていくジョンに正直、違和感を抱き、彼が疾駆するスピードに着いていけなかったのを覚えています。
何でアメリカなんかに移り住んだんや~と疑問も持ちました。
でも、彼が発表したアルバムはやはりすべて買い、変質したレノン・サウンドに浸っていました。
この映画では、1980年に自宅前で暗殺されるまでの9年間にわたり、(当たり前ですが)プライベートな面ばかり映されています。
これまで見たことのない影像や音源もあって、かなりときめきました。
どうしてアメリカ人になったのか、その理由もぼくにはよく理解できました。
映画の中で、あのギブソンが映るかなと期待していましたが……(笑)。
☆関西では、3日から大阪・十三のシアター・セブンで、10月1日から神戸アートビレッジセンターで公開。

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。