武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

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こんな瞬間があってもいいかも~4つの短編オムニバス映画『Only 4 you』

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あっちへ行ったり、こっちへ行ったりと迷いながら人生を歩んでいると、どこかで転機にぶつかる時がありますね。

 

ぼくはスコッチのシングルモルトに出会えて、ライフワークともいえる「ケルト」の世界にのめり込むことができました。

 

そんな人生のちょっとしたターニングポイントを描いた4つの短編オムニバス映画『Only4you』は意外と拾いモノでした。

 

元落語家を主人公にした最後の『すけ坊』の他は、みな若者の物語。

 

いや、『すけ坊』もぼくからすれば、ヤングの映画です。

 

1話『色はヒカリ』:引っ越しのアルバイトでたまたま一緒になった4人の男子学生がトラックの荷台である情景を目にして……。

 

2話『まどろす』:昭和30年代、演歌歌手をめざす学生がとあるマドロス(船乗り)酒場に出向き……。

 

3話『ゆらい、ほしぼし、笑うまで』:奄美大島にある施設に入所した、性格のまったく異なる2人の女子高生が天体ショーを見てときめいて……。

 

4話『すけ坊』:スーパーで実演販売をする元落語家の男が子連れの元彼女と遭遇して……。

 

どれもストーリーが見事に収斂しすぎていて、いささか白々しさが感じられるけれど、こんな瞬間も人生にあっていいと思わせます。

 

何はともあれ、日々、きちんと生きておれば、何かしら〈出会い〉があり、プラスに転じることがありますね。

 

そのことをこの映画はさりげなく教えてくれました。

 

12日から大阪・十三のシアターセブンで公開。

 

公式サイト:http://www.itoh-c.com/only4you/

 

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。