京の祇園祭が始まり、いよいよ夏本番ですね。
今夜は昔の記者仲間と鴨川の床で一献を傾けます。
京都新聞のTさんとは29年ぶりの再会となり、今からうきうきしています。
さて、読売時代の先輩、松本順司さんから1冊の本が贈られてきました。
『軍靴とタカラヅカ~鳴り続けたアメリカ生まれのピアノ』(新風書房、定価=本体1500円+税)。
「第二次世界大戦中、タカラヅカの住宅街の一角で、定期的にアメリカ生まれのグランドピアノによるサロンコンサートが開かれていた。ある日、憲兵に踏み込まれた」
本の帯にはこんな文章が記されています。
西洋音楽を聴く、ピアノを弾くなど“非国民”だと罵倒され、強制連行されても文句の言えない時代。
しかし兵庫県の宝塚には、歌劇によって育まれた音楽と芸術を愛する環境があったそうです。
本著は、ピアニストを夢見るひとりの少年の生きざまにそういう時代の空気を投影させた物語です。
松本さんは10年がかりでこつこつと取材を重ね、ドキュメンタリー小説の形で世に発表しはりました。
ぼくより9歳上。
新聞社を定年退職されてから、歴史の陰に埋もれた人物を中心に小説を書き綴ってはります。
「今回は出版化するのに苦労しました。震災の影響でインクや紙が乏しくなり、出版社が渋って……。でも書きたいテーマはまだまだいっぱいあります。頑張りますわ」
電話でお礼を言うと、受話器の向こうから元気な声が聞こえてきました。
何だかうれしくなりました。
執筆活動に対してすごく燃えてはるのがわかったから。
大いに刺激になりました。
さっそくページを繰ろうと思うています。
先輩の新著『軍靴とタカラヅカ~鳴り続けたアメリカ生まれのピアノ』
投稿日:2011年7月15日 更新日:
執筆者:admin