16日から周防正行監督の異色ドキュメンタリー映画『ダンシング・チャップリン』が公開されます。
きのう、映画のカルチャー(サンケイリビング)で、この作品を紹介し、喜劇王チャップリンの足跡・功績を受講者の方々に説明しました。
チャップリン映画には、笑いの中にペーソス(哀感)がありますよね。
それが観る者の心の琴線にふれ、単なるコメディーに留まらない、独特な深みのある人生ドラマへと昇華させるのです。
極貧だったロンドンでの幼少時代の体験がベースになっていたといわれています。
きのう、こんなエピソードをお話ししました。
チャップリンの家の近くにある食肉処理場(家畜屠殺場)から1匹の羊が逃げ出しました。
従業員があわててその羊を追いかけ、そのうち警察官も加わって、街中で大追走劇が展開されます。
その様子を見ていた住民はみなゲラゲラと腹を抱えて笑っています。
でも、チャップリンは笑えなかったんです。
「あの羊はきっと泣いているんだ……」
ここにチャップリン映画の本質があるような気がしています。
チャップリンのペーソス(哀感)
投稿日:2011年4月7日 更新日:
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