こんなフランス映画、いかがですか~。
観ていて気分がホカホカしました。

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ありふれた日常に何かしら変化があると、少なからずときめきを覚える。
このフランス映画はそこに焦点を当てた、誠に奇想天外な物語。
赤ちゃんが登場する映画の中ではかなりの異色作だが、幸せな空気で心を満たしてくれる。
毎日、7歳の娘リザをバイクで学校に送ったあと、工場で流れ作業につくシングルマザーのカティ(アレクサンドラ・ラミー)は単調な日々にうんざりしている。
そんな彼女が新入りのスペイン人工員パコ(セルジ・ロペス)と恋に落ち、2人の間に男の子が生まれる。
名はリッキー。

↑↑写真の男性は、フランソワ・オゾン監督
最初は見知らぬ男が居着いたことに不快感を示していた娘も、次第にパコと弟に慣れ、ごく普通の4人家族が形成されていく。
母子2人の暮らしからすれば、劇的な変化だ。
しかしここまでは序章で、このあと物語がにわかに盛り上がる。
何とリッキーに予期せぬ変調が現れたのだ。
大きな瞳をくるんくるんさせ、天真爛漫の笑みを浮かべる可愛い赤ん坊なのに、決定的に人間離れしている。
パコが家を飛び出したのもそのことが原因だった。
リッキーがどんな子なのかは明かさないでおこう。
映画館でとくとご覧あれ。
もしわが子がそうなら、親は絶望するかもしれない。
何せ見た目が他の子と違っているから。
カティも最初は戸惑い、世間から隠そうとした。
でも決して奇異の目で見ず、最愛の息子としてありのままに受け入れた。
開き直りではない。
母性がそうさせたのである。
リッキーの超人的なところにカティとリザがどんどん魅せられていく。
不機嫌極まりなかった2人が嬉々とする。
リッキーは幸福を招く宝物。
そんなふうに見据えるフランソワ・オゾン監督の眼差しはどこまでも優しい。
赤ちゃんの“演技力”には参った!
1時間30分。
★★★
(日本経済新聞2011年1月21日夕刊『シネマ万華鏡』。ブログへの掲載を許諾済み。無断転載禁止)
☆大阪・梅田ガーデンシネマで公開中
可愛い、可愛い赤ちゃんの映画~『Ricky リッキー』
投稿日:2011年1月24日 更新日:
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