武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

お酒を飲みながら読むのにオススメする本(1)

投稿日:2011年1月26日 更新日:

きのうのサッカー「アジア杯」、日本VS韓国戦はめちゃめちゃ見応えありましたね。
PK戦でのGK川島の神がかり的な奮闘には恐れ入りました。
最後の最後まで諦めない韓国チームの粘りにも恐れ入りました。
恐れ入りまくって、妙に美味しいウイスキーを味わうことができ、素敵な夜でした。
さて、お酒の月刊誌『たる』2月号の特集は「本とお酒の美味しい関係」。
ぼくは12のテーマごとにオススメの本をピックアップし、簡単な書評を書かせていただきました。
本(1)
無理やり(?)、お酒にこじつけていますが……。
これから順番に載せていきたいと思っています。
まずはこれ。
【ヒラメキを与えてくれる本】
この本のことは以前、ブログで紹介しましたね(^o^)v
『侏儒の言葉』 芥川龍之介
*旺文社文庫『羅生門・鼻・侏儒の言葉 他二編』1965年
本(2)
芥川が大正12年、32歳のときに書き始めた箴言集。
「侏儒」とは「小さい人」「見識のない人」のことで、著者が自らをへりくだって言ったもの。
人生、良心、恋愛、道徳……。
いろんな用語や想念を自分なりに断定的に定義づけているのがすこぶる面白い。
「忍従はロマンティックな卑屈である」
かなり皮肉屋だ。
壁にぶち当たったとき、ぼくは日本酒の熱燗をちびちびやりながらページを繰る。必ずヒントを与えられる。
一番納得できる文言はこれ。
「人間的な、あまりにも人間的なものはたいていは確かに動物的である」
酒を嗜むこともそうなのかな?

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。