エストニアのヴォルムスィ島で、予想をはるかに上まわる数のケルト十字架を眼にしてから、村のカフェでビールと軽いランチを取りました。
その店でタリンから遊びに来たという青年と知り合いました。エストニアの若者は英語が堪能です。それによく喋る。
ついつい話し込んでしまい、時計を見ると、ハープサル行きのフェリーの出航時間まであと30分に迫っていました。
ヤバイ!
青年に別れを告げ、あわててサドルにまたがり、来た道とはちがって森のなかの土道を突っ走りました。
近道と思ったのがいけなかった。前日の雨で道はぬかるんでおり、何度も自転車を押すハメに……。
結局、桟橋に到着したときには、フェリーははるか洋上でした。
乗り遅れた~!!
次のフェリーまで4時間あったので、のんびりとサイクリングで島を巡りました。
森と平原のなかにポツンポツンと集落が点在しているだけで、ほんとうに静かな島です。
北側の道路を走行していると、原っぱに木や石の造形物が建っていました。
それが日本の土偶のようにも見え、なかなか面白い。
芸術家が住んでいるのかな。
その近くに風車があり、見入っていると、たくましそうなおばちゃんが笑みを浮かべて近づいてきました。
そして英語で「風車のなかが博物館になっています。どうぞ入ってください」と話しかけ、半ば強制的に連れて行かれました。
たしかにスウェーデン移民の歴史を解説したミニ博物館でした。このおばさんもその末裔でした。
「日本人ははじめて。こんどはスウェーデンを旅してください」
写真を撮らせてほしいと言うと、彼女は両手で顔を覆い、首を横に振りました。
かわいいおばちゃんだ。
すっかりリフレッシュでき、フェリーでハープサルへ。ホテルで預かってもらっていた荷物を受け取り、バスで首都タリンへ向かいました。
タリンに到着したのは午後11時近く。緯度が高いとはいえ、さすがに日はとっぷり暮れ、街は闇に包まれていました。
明日はタリンをじっくり散策しよう。そう思って深い眠りに就きました。
バルト3国レポート(18)~
投稿日:2010年3月18日 更新日:
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