武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

さらば、オリエント急行……

投稿日:2009年12月17日 更新日:

さきほどNHKの情報番組『クローズアップ現代』(午後7時半~8時)を観て、オリエント急行が廃止されたことを知りました。
アガサ・クリスティーの代表作で、映画化された『オリエント急行殺人事件』(1974年)の舞台となり、『007ロシアより愛をこめて』(63年)でも登場したヨーロッパの超有名な国際列車です。
1883年の誕生なので、126年の歴史に幕を下ろしたことになります。まさにヨーロッパの現代史とともに歩んできました。
じつは、32年前(1977年)、ぼくはオリエント急行に乗ったことがあるんですよ。大学3年の春休みにヨーロッパを放浪していたときです。
当時、東西冷戦のさなかで、パリ~イスタンブール(トルコ)間の全線営業はなく、パリ~ブカレスト(ルーマニア)間しか走っていませんでした。
それでもフランス、ドイツ、オーストリア、ハンガリー、ルーマニアと5か国を横断していたんですね。しかも社会主義国家が2国もありました。これは驚きです~!
オリエント急行
乗車券をもっています。でも、それにはどこを見ても「オリエント急行」と印字されていません。単なる寝台車付きの国際列車に格下げされていたんですね~。
しかし車体にはちゃんと「ORIENT EXPRESS」と書かれていました。写真に撮っておけば、よかった……。
切符を見ますと、3月5日、パリ東駅11時3分発となっています。ウィーン(西駅)着が翌日の14時25分。だから15時間22分もかかっていました。
パリ~ウィーンの距離は約1033キロなので、そこから計算すると、時速66キロほど。決して速くありません。だから時代の流れに乗り遅れて、廃止されたのでしょう。
貧乏旅行をしていたぼくには寝台車なんて夢のまた夢~。当然、ふつうの2等客車です。よほど乗り疲れたのか、ウィーンに到着したとき、バテていたのを覚えています。
駅前の安宿に投宿し、仮眠していたら、いきなり掃除のおばちゃんに起こされ、激写されたんです。
それがこのびっくりした表情の写真です。めちゃ若いですね。なにしろ32年前ですからね~♪
オリエント急行顔
カギをかけていなかったようで、おばちゃんが勝手に部屋のなかに入ってきて、遊び心からぼくのカメラを手にとって、シャッターを押したのです。
オリエント急行の話になると、きまってあのときの安宿が頭に浮かんできます。

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プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。