武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

バルト3国レポート(7)~

投稿日:2009年10月4日 更新日:

昨晩、中秋の名月を京都で眺めました。東山を照らす真ん丸いお月さん。ほろ酔い気分も手伝ってか、CDよりも大きく見え、思わず眼を見開いてしまった。
40年前、あそこに人類が足跡を残したんや~。そう思うや、なんだか感傷的な気分に浸ってしまって……。
さて、早いもので10月4日です。バルト旅行のレポートをどうぞ。
フライペダ(2)
バルト海に面したリトアニア西部のクライペダという港町を訪れました。13世紀にドイツ人の騎士団がきずいた町とあって、ドイツ風の建物があちこちに建っていました。いまではロシア系住人が多いとのことですが。
第1次世界大戦後、リトアニアに編入されましたが、39年、ナチス・ドイツ軍に占領されました。そのときヒトラーが「ドイツ人の手で取り戻した」と演説したのが旧市街にあるドラマ劇場のバルコニーです。
091003105210_981
その前の広場に露店がズラリと並んでいました。売られているのがほとんど琥珀。カメオ、ペンダント、イアリング、指輪などなど。
琥珀
「これ、これ、見て、見て」
スカーフをしたたくましいおばちゃんから日本語で声をかけられ、びっくり。ここにも日本人観光客が来るんやなぁ~と実感しました。
琥珀は木の樹脂が固まって石化したものです。スピルバーグの映画『ジュラシック・パーク』(1993年)で一躍、脚光を浴びました。
バルト海諸国の特産品で、ポーランド、ロシアの飛び地カリーニングラード、リトアニア、ラトヴィアで多く採れます。
古代から地中海世界との間で琥珀の交易がおこなわれていました。いまでもそうですが、貴重な宝石だったんですね。とりわけ虫が入った琥珀は価値があります。
露店の品物はかなり安かったです。ペンダントが日本円にして500円ほど。えっ、ホンマかいなと首をかしげてしまいました。宝石店では、よく似たペンダントが1万円で売られていましたから。
そのペンダントを手に取り、しげしげと見ていたら、あろうことかポロリと琥珀が取れてしまったんです。そんなアホな~。
売り子の女性が気づいていないのを幸い、何食わぬ顔で琥珀を取り付け、そっと置いてから、足早に広場を立ち去りました~!!

-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

巨石から放たれる〈オーラ〉~!?

巨石から放たれる〈オーラ〉~!?

石の写真を4枚、並べます。 上から順に、ストーン・ヘンジ(英国・イングランド)、カラニッシュ(英国・スコットランド)、カロウモア(アイルランド)、カルナック(フランス・ブルターニュ)。 いずれも世界的 …

今日からポルトガルです~♪

今日からポルトガルです~♪

今日、ポルトガルへ向かいます。   関西国際空港を午後10時30分に飛び立つトルコ航空でイスタンブール経由、リスボンへ。   ヨーロッパへ旅立つのに夜の便を利用するのは初めてです。 …

スペインひとり旅(5)

スペインひとり旅(5)

田舎町のソリア(Soria)、思っていた以上に素敵なところでした。 海外の観光客がいないのが心地良いです~(^-^)v ちゃんと闘牛場もあります。 土曜日とあって、地元のみなさんバルで目一杯、くつろい …

(5)南インド・タミルナードゥ州への旅~5日目(5月23日)

(5)南インド・タミルナードゥ州への旅~5日目(5月23日)

5日目。 午前9時すぎ、マハーバリプラムから田舎のバスに乗ってベンカル湾沿いに南のプドゥチェリー(旧ポンディシェリー)に向かいました~🚌💨 途中、トイレ休憩があり、10 …

今年の夏はポーランドに行きます

今年の夏はポーランドに行きます

今日は暑かった。 すでに夏の雰囲気でしたね。 夏と言えば、毎年、ヨーロッパへ旅立っていますが、今年は「ケルト」から離れ、ポーランドへ行く予定です。 スピルバーグの映画『シンドラーのリスト』を含め、第2 …

プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。