武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

ジュネーヴの大噴水

投稿日:2009年2月7日 更新日:

funsui
ヨーロッパの真んなかに位置するスイスは、ドイツ語圏、フランス語圏、イタリア語圏、そしてレト・ロマン(ロマンシュ)語圏と言語的に4つの地域から成り立っています。一番メジャーなのがドイツ語圏です。
国際都市ジュネーヴはフランス語圏の中心地です。スイス北西部に横たわるレマン湖の西端に市街地がひろがっています。レマン湖は琵琶湖よりひとまわり小さな湖です。
昨年夏、そのジュネーヴにぼくははじめて訪れました。スイスは何度も行ったことがあるのに、どういうわけかジュネーヴとは縁がなかったんです。
時計屋さんがやたら多いのが気になりましたが、フランスよりもフランスっぽくて、とっても垢抜けした大人の町やな~という印象を抱きました。そしてなによりも眼を奪われたのが、湖上を彩る大噴水でした。地元では「ジェッドー」と呼ばれています。
なにしろ140メートルもの高さまで噴き上げているんですから、圧巻です! 雲間から陽光が差し込むと、にわかに虹が出現し、素晴らしい光景を見せてくれます。
歴史の重さが伝わってくる湖畔の建物をバックにして、大噴水を眼にすると、その美しさにため息がもれます。はるかかなた白い岩肌をむき出しにしてそびえるサレーヴ山(フランス領)の威容も演出効果を高めています。
ジュネーヴのシンボルとして、大噴水は見事なほど街に溶け込んでいます。いかんなく美観をかもし出す造形物。まさに「ブランド」ですね。まったく気負わず、日常のなかにそれを取り入れているところに、「めちゃめちゃ熟成した街やな~」とぼくは感心していたのです。
噴水は、夏場が午前9時から、冬場が午前10時から見られます。ただし氷点下になると、作動しません。いまごろスイスは厳冬期。あの噴水、どないなってるんやろか~とふと気になりました。

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。