武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

シチリア+マルタひとり旅(2023年4月9日~21日)

(5日目)シチリア+マルタひとり旅

投稿日:

シラクーサで泊まった駅前のちょっと寂れた感じのミニホテル、なかなか快適でした。

シラクーサの駅

駅前のミニホテル

受付のスタッフがみな親切で、しかもイチビリ(笑)

「テレビの映りが悪いよ」と言いに行くと、イケメンのお兄さんがいきなり、テレビの側面を平手打ち、その途端、バッチリ映った~!

「週に1回、こうせなあきませんねん」

ホンマかいな。

カプチーノとクロワッサンの朝食を取っている時、こちらに来て初めて日本人(女性)と会いました~!

カプチーノ+クロワッサン、朝食の定番です

「今日もええ天気ですね。シチリアは初めてですか?」

日本語で話しかけると、ポカーンとしてはります。

えっ!?

「うち、シンガポール人ですねん」

彼女、笑いながら、キレイな英語で返してきはりましたわ。

そうでっか、ハハハ(笑)

   ☆     ☆     ☆     ☆     ☆

朝食後、ニョキっと半島のように伸びているシラクーサの旧市街を散策しました。

正しくはオルティージャ島といいます。

世界遺産に登録されているシラクーサの旧市街

そこに入る手前、超有名な古代ギリシアの科学者アルキメデスとツーショットを決めました。

この人、ギリシアの植民都市だったシラクーサ出身なんですね。

知らなんだ。

アルキメデスが意外と痩身でした

海岸沿いを歩いていると、朝っぱらから泳いでいるおっちゃん連中がいました。

この画像を取った後、誘われました(笑)

水温が低いのに、よぉやるわ~と思いながら、スマホで撮影していたら、「こっちに来て、一緒に泳ぎまへんか」(推測)と手招きしてくれはった。

ぼくも手を振って日本語で返しました。

「何でそんな冷たい海に入らなあかんねん。風邪引くわ」

向こうはキョトンとしてはった、ハハハ(笑)

このあと、リュック・ベッソン監督の懐かしい映画『グラン・ブルー』(1988年)の主人公ジャック・マイヨールのライバル、素潜りの世界王者エンゾのモニュメントと対面。

エンゾの名前を刻んだモニュメント

101メートルの深さまで潜ったこの人、シラクーサの旧市街で生まれ育ちはったんですね。

これも知らなんだ。

このままっすぐ進んでいくと、旧市街の最南端。

先端がマニア―チェ城

そこに、13世紀に建造された堅固なマニアーチェ城がデンと構えていました。

先端まで行けるみたい。

そのことがわかった瞬間、例の〈病気〉が出てきましたがな。

大きく深呼吸してから、快晴の下、潮風に向かって、絶叫~!!

イェーッ~~(^O^)/

もう病気ですね(笑)

旅に来て最初の雄叫び。

あゝ、気持ちよかった、せいせいしましたわ。

ところが、横の岩の向こう側(死角)に座ってはった娘さん、びっくりして、「キャー!」

イタリア人だったので、翻訳アプリを駆使し、必死で事情を説明したんですが、何で絶叫したのか、その理由はわかってもらえませんでした……(笑)

気持ちを取り戻し、再び街中へ。

長細いドォーモ広場に来た時、記憶の片隅に残っていた映画のワンシーンが脳裏に甦ってきました~!

細長いドゥオーモ広場

その映画とは、『ニューシネマ・パラダイス』のジョゼッペ・トルナトーレ監督が撮った『マレーナ』(2000年)。

覚えてはりますか?

12歳の少年が美貌の人妻に恋情を抱く異色青春グラフィティ。

その人妻に扮したモニカ・ベレッチがこれ見よがしにこの広場を颯爽と歩いていました。

この映画で彼女、ブレークしましたね。

つい最近、試写で観た映画(タイトル忘れた)で、すごい悪女に扮してはったので、びっくりポンでしたが。

ランチは、すっかりお気に入りのピラミッド型のライスコロッケ「アランチーノ」。

これ、ビールのお供に最高!

シチリアの郷土料理です。

ご飯のほか、ひき肉、チーズなどの具材が入っていて、トマトソース味でええ塩梅に味付けしてあり、ビールによぉ合いました。

このシラクーサ、屈指の観光地なのに、あまり俗臭がせず、まどやかな風情が漂っていて、すっかり気に入りました~

   ☆     ☆     ☆     ☆     ☆

昼下がり、そんなシラクーサからローカル線の電車ならぬ、ディーゼル車に揺られ、近郊のノート(Noto)という町へ遠出しました。

『地球の歩き方』に、「バロック装飾の美しい小さな町」と紹介されていて、興味をそそられたからです。

ローカル線ってええですね、旅情をそそられます。

理屈抜きに、昭和そのもの。

車内はカーテンと窓が閉ざされたままで、薄暗くて蒸し風呂状態でしたが、隣の2人のお姉さんはひたすらスマホとにらめっこ。

こっそり盗撮したった、ハハハ~ (笑)

ノートの街は、18世紀のバロック風の建物だらけで、世界遺産に登録されています。

確かイタリアは世界で一番、世界遺産の登録数が多いんとちゃいますか。

何だか感覚がマヒし、ありがたみが薄らいできますね~ (笑)

旧市街の入り口に建つ門

市役所です!

こんな建物があちこちに

バロック風ですねぇ

こちらに来て、ずっと快晴続きです~

朝晩は12~14度くらいですが、日中は20度を超えます。

でも湿気がないので快適そのもの。

雰囲気のあるノートの街を散策してから、ワインバーで、シチリアの極上白ワインを堪能。

極上のシチリア産白ワイン

店主が撮ってくれはりました

店主がイタリア語でべらべら説明してくれはりました。

推測するに、こんな内容かな、知らんけど。

「これを口にしたら、他の白ワインは飲めまへん。どうでっしゃろ」

う~ん、確かに仰せの通りでした。

しもた、銘柄を見るのん忘れた!

  ☆      ☆     ☆     ☆     ☆
 
ほろ酔い気分でシラクーサへ戻り、ふと気付いたことがありました。

小さな車やオート三輪が意外と多いんです。

日本で見かける軽自動車とはちょっと違います。

自動車に詳しい人、その理由を教えてください。

シラクーサの駅

薄暮、アリーナに佇んでいると、出航する大型の客船が目の前を航行していきました。

その後、まだエネルギーを蓄えたまばゆい夕陽がイオニア海を神々しく照らしていて、妙に感傷的な気分に~。

晩御飯は、タコのサラダとチキンのソテーでした。

どうやらタコ中毒になってきたみたい (笑)

「チキンにこれを注ぎなはれ」

店のお兄さんから言われたのが、シチリア産のオリーブオイル。

見たことのない銘柄……。

わっ、味が格段に引き立った~!!

  ☆     ☆     ☆     ☆     ☆

食後、無性にウイスキーがほしくなり、駅前のバールに入りました。

バーマンは、見るからに人の良さそうな青年。

シチリア大好き人間のお兄さん

スコッチのJ&Bしかなかったので、そのロックをオーダーすると、そのお兄さん、氷を手づかみでグラスに入れ、ウイスキーをドバッと注ぎはりました。

グラスから溢れそう。

ダブルどころか、トリプル以上ですがな(笑)

他に客がいなかったので、翻訳アプリを使って会話を楽しみました。

「シチリアは、イタリアの北部といろいろちゃいますね。こちらの人は気さくでフレンドリーやし」

ぼくがそう言うと、ここぞとばかり喋りまくりはった。

何度も中断してもらい、翻訳アプリで確かめると、こんな内容でした。

「ミラノ、トリノ、ジェノバなど北部の人間とは全く合いませんわ。ローマ人もそうかな。気取っとるから。ナポリはギリギリセーフ。どこかシチリアを見下しているような気がしますねん。何であんな格好つけるんやろ。ホンマにすかんわ~ 」

かなり辛辣なご意見。

経済的な面も含め、もろにイタリアが抱える南北問題ですね。

「日本でもそうなんですか 」

青年から訊かれ、どう答えてええのか分からなくなり、咄嗟にこう返しました。

「ぼくが生まれ育った大阪・関西の人間は、何となくシチリアンとよぉ似てますわ」

言い終えてスマホを見せると、いきなり握手されましたがな(笑)

そんなわけで、素敵なシラクーサの夜を過ごせました。

-シチリア+マルタひとり旅(2023年4月9日~21日)

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。