武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

スペイン・アンダルシア紀行(2019年9月2日~12日)

スペイン・アンダルシア紀行~4日目(9月5日)

投稿日:2019年9月13日 更新日:

英国領ジブラルタルへやって来たのは、岩山での絶叫だけでなく、飢えまくっていたイギリス産のソーセージを食べることでした。

宿泊したのがイギリス系のホテルだったので、てっきり朝食はそのソーセージ入りのイングリッシュ・ブレックファストと思いきや、コンティネンタル風。

ガーン~!!

かなりショック~( ;∀;)

おい、おい、アカンやん、ほんまに。

こんなん詐欺や。プンプン~。

とりあえず紅茶とヨーグルトだけをいただき、気持ちを切り替え、街中へ飛び出て大衆食堂へ。

メニューを見ると、ソーセージがあった

「ソ、ソ、ソーセージ~、プ、プ、プリーズ~!!!」

注文したとき、思わず声が裏返り、どもってしまいましたがな。

お腹が減っていたので、目玉焼きを付けてもらいました。

トーストの上にのせられたソーセージ。

あぁ、いとおしい~💛

ブラウンソースをたっぷりかけて口に入れると、幸福感満足感に浸りました~!

この味、この味~。

たまりませんな。

日本のソーセージとはひと味もふた味も異なる逸品(笑)。

豚肉だけでなく、でんぷん質が入ってるんです。

だから、ドイツ人からすれば「そんなんソーセージとちゃう!」になります。

でも、病みつきになる味なんです。

訊くと、ヨークシャー産のソーセージとか。

ぼくがあまりに美味しそうに食べているので、店の人が不思議がってはりました。

「普通の朝食やのに、けったいなお客さんやな」

こんな感じですわ。

ジブラルタルの大衆食堂

実は昨日、岩山で絶叫したとき、口を開けすぎたようで、その後、顎がカクンカクンと音がしていたんです。

ヤバい、顎の骨がずれた~?

ところが、このソーセージを口にした途端、ピタリと音がしなくなった~(^_-)-☆

何でやろ?

よぉわかりまへん(笑)

何はともあれ、パワーをもらえ、めでたし、めでたし~!!

ほんま、ジブラルタルへ来てよかった~(^^♪

朝からソーセージで舞い上がってしまい、ジブラルタル・ポンドのことを書くのを忘れていました。

見た目が独特な紙幣です。

表はかなり若い時のエリザベス女王の肖像

裏はジブラルタルの岩山

本国のポンドと通貨価値がイコールではなく、少し異なるみたい。

そして、本国では使えません。

つまり、ここでは英国ポンド、ジブラルタル・ポンド、ユーロの3種類の通貨が使えます。

ユーロで支払い、「お釣りを英国ポンドでちょうだい」と言うと、ちゃんとそうしてくれます。

暗算が全くダメなぼくには信じられませんわ。

通貨の話はこのくらいで。

アンダルシアの空気に浸った身として、ジブラルタルは淡白で整いすぎていて、正直、刺激が少なかったです。

で、早々にスペインへ戻りました。

途中、飛行場にやって来ると、ロンドンからの英国航空BAの飛行機が着陸してきました。

ちょうどロンドンから英国航空(BA)が着陸

国際線ではなく、国内線です~(笑)

同時に、にわかに霧が発生し、何とも幻想的な光景を目にできました。

前回、訪れた時もこの霧を見て、びっくりしました!

この飛行場、イギリス空軍の軍用空港で、民間の航空会社が借りているそうです。

飛行場の手前に空軍の格納庫があり、金網越しに中を覗くと戦闘機が停まっていました。

背伸びしてカメラで激写しようとしたら、兵隊さんが飛んできて、「アカン、アカン。撮影禁止と書いてありまっしゃろ~」と叱られました。

笑いでごまかそうとしたけど、無理でした(笑)

アイム・ソリー~(^^;)

スペイン側に入った途端、ざっくばらんな庶民的な空気に触れ、何だかホッとした気分に。

東京出張から大阪へ戻ってきた、あの感じです~(笑)

さぁ、ふたたびアンダルシアを満喫しよう~

   ☆    ☆   ☆   ☆   ☆

とりあえず、ラ・リネアからバスでジブラルタルの対岸にあるアルヘシラスに向かい、そこのゲストハウスに投宿。

宿屋のオーナー姉妹がすごく親切でした。

あまりによぉ喋りはるので、写真を撮るのをすっかり忘れていました(笑)。

実は……、長い間、ジブラルタルがイベリア半島の最南端とばかり思い込んでいました。

ところが、部屋で寝転がって地図を眺めていると、最南端はすぐ西方にあるタリファという町であるのがわかりました。

ここまでやって来たんやから、その町で「イェーツ~」をやらないと、意味がない!

そんなことないか~(笑)

でも、ぼくにはやっぱり意味があるので、バスでタリファへ向かいました。

ちょうど30分で到着しました。

そこは城壁内の白い街並みがすごくエキゾチックなところでした。

8世紀、イスラム勢力がイベリア半島で最初に征服した地とあって、アラブ的な匂いが濃厚に漂ってます。

堅牢な岩の城

このおじいちゃん、ギターの名手でした!

バス停で談笑するお年寄りたち

アフリカ大陸(モロッコ)までわずか15キロ。

ジブラルタルからよりもずっと近くに見えます。

途中、バスの車窓から眺めたアフリカ大陸はインパクトがあった!!

最南端は港の突堤の最先端とのこと。

炎天下、海に突き出た長い堤防をえっちらおっちらと歩いていきました。

誰も歩いてない~(笑)

先端にたどり着くと、そこには聖タリファの大きな像が屹立していました。

タリファとは、最先端という意味があるらしいです。

すごい潮風で吹き飛ばされそうになりながら、またも「イェーツ~」と絶叫~!

顎がずれないよう、心持ち口を小さめにして~(笑)。

誰もいないと思っていたら、銅像の下に釣り人がいてました。

ぼくの叫び声に驚き、その男性、釣竿を置いて近づいてきて、「何をやってますねん?」

バスク地方の釣りの名人とツーショット

あとはGoogle翻訳アプリでやり取り。

「叫びに来ましてん」と説明するも、「よぉわかりませんわ」と首を振りはるだけ。

どうやら(やっぱり)理解不能みたい~??

この人、何と北部バスクの人でした。

釣りの名人とかで、釣り雑誌の取材でタリファに来たと言うてはりました。

へ~っ、最南端で最北の人と出会うとはオモロいですね。

「イベリア半島の最南端はここやけど、スペインの最南端は向こうのタリファ島。灯台が立ってまっしゃろ? あそこ」

そうなんや(この意味、わかりますか?)

すぐさまタリファ島に足を向けると、地中海(左)と大西洋(右)を分けるポイントがあり、大興奮~!!

島の先端にある灯台には行けなかったので、ここで、とりあえず叫んでおきました~(^_-)-☆

絶叫の安売りですな~(笑)

右が大西洋、左が地中海。向こうがタリファ島

でも、言いようもなく気持ち良かった~(^.^)/~~~

-スペイン・アンダルシア紀行(2019年9月2日~12日)

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。