武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

ニース&コルシカ島紀行(2018年9月2日~14日)

ニース&コルシカ島紀行(10)9月9日~古都コルテへ小旅行

投稿日:2018年9月17日 更新日:

コルシカ島北東部のバスティアに来たのは、東方約80キロ沖合いのエルバ島(イタリア)への日帰り旅行をするためでした~🚢

エルバ島は皇帝を退位させられたナポレオンが流され、299日後に脱出した島です。

その後、ナポレオンは皇帝に復位するも、ワーテルローの戦いで敗れ(三日天下!)、二度と脱出できないように南大西洋の孤島セント・ヘレナ島へ送られ、そこで生を全うしました。

夏のシーズンには、バスティアから週に3回、エルバ島行きのフェリーが運航されています。

ところが9月になると、限られた日しか就航しておらず、バスティア滞在中にはそのフェリー便がないことがわかり、愕然としました~😣

またも詰めが甘かった~(;_;)/~~~

最近、この手のミスが増えてきてるなぁ~😣

まぁ、時間ができたので、コルシカ鉄道を使って山間部にある古都コルテを訪れました。

山の上に城塞があり、何とも落ち着いた雰囲気。

島で唯一の大学、コルシカ大学もここにあります。

どうしてコルテが古都なのかというと、1755年、ジェノバから独立を勝ち取ったあと、ここに都が置かれたからです。

各地で素敵な光景と出会え、充実したコルシカ博物館に堪能し、エルバ島のことなどすっかり頭から吹き飛んでしまいました~(笑)

コルシカ特産品の店

で、ナポレオンですが、先日、滞在したアジャクシオで生を授かったにも関わらず、コルシカ島では極めて影が薄いのです。

ナポレオンの像がそこいらにあり、ナポレオン・グッズが多々、出回っていると思いきや、あまり目にしません。

バスティアの中央広場にはローマ皇帝風にナポレオン像が屹立していましたが……。

やはりナポレオンの父親がジェノバからの独立戦争時(1729~55年)、指導者パスカリ・パオリの副官であったにも関わらず、裏切ってジェノヴァに加担するフランス軍側に就いたことや、ナポレオン本人も独裁者として中央集権を推し進め、コルシカ島の固有文化を蔑ろにしたからでしょう。

因果応報……。

コルシカ島の最大の英雄は何といっても、独立戦争に勝ち、独自政府を樹立したパスカリ・パオリです。

あちこちに像やモニュメントがあり、ワインの銘柄や通り名にしているところも多くあります。

バスティアのモニュメント

アジャクシオのパスカリ像

ワインの銘柄にも

コルテには立派な像が立っていました。

コルシカ島=ナポレオンというイメージが強かっただけに、日本と現地の温度差に唖然としました。

やっぱり現場を踏まな実像が見えてきませんね。

-ニース&コルシカ島紀行(2018年9月2日~14日)

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プロフィール

プロフィール
武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。