コルシカ島は思っていた通り、独特な風土でした。
フランスなのに、かなりイタリアっぽい。
1769年にフランス領になるまで、ピサやジェノバのイタリア諸侯の領土だったので、納得できます。
固有のコルシカ語もありますが、島民はみなフランス語を喋ってはります。
「コルシカ(Corsica)」というのはコルシカ語表記で、フランス語では「コルス(Corse)」になります。
大きさは広島県ほど、人口は約30万人。
コルシカ旗は、顔の黒いムーア人の横顔をあしらったもので、インパクト度からして絶対に目を惹き付けられます~💡
ムーア人は、6世紀から11世紀にかけてコルシカ島をはじめ地中海沿岸のヨーロッパ諸国を占領したイスラム教徒のこと。
旗の由来は諸説ふんぷんです。
これ、ムーア人を打ち破ったスペイン東部アラゴン王国の紋章で、いわば「戦利品」を国のシンボルにしていました。
それをコルシカが借用したというのです。
こんな説もあります。
約500年間、異教徒の支配に耐え抜いた先祖の気概に敬意を表し、あえて「敵側」の顔をデザインに採り入れた…………。
この発想がすごい❗
コルシカ島の南に浮かぶイタリアのサルディーニャ島の旗も同じものです。
反権威意識と自立心が強いのか、長年、フランスからの独立運動が続き、1970年代には過激分子によるテロ活動がしばしばニュース沙汰になっていました。
今ではそういう動きは沈静化していますが、反フランス意識は根強いみたいです。
何せ、フランス本土の人から「辺境の民」として蔑まされてきた苦い歴史もありますから。
その意味では、ケルト色の強いフランス北西部ブルターニュとよく似ていますね。
イギリス(UK)ではスコットランドやウェールズ、スペインではバスク、ガリシア、カタルーニャ……。
民族的に「中央」と異なり、固有の文化、歴史にアイデンティティーを求める、そんな「地域」とそこの住民にぼくはたまらなく惹かれます。
昨日から滞在しているアジャクシオは県庁所在地で、島最大の街です。
といっても、人口はたかだか6万人程度。
しかし港にはフランス、イタリアからのフェリーの他、豪華客船も頻繁に入港しており、観光客が非常に多いです。
だから、コスモポリタン的な様相を呈しています。
海水がきれいなので、わざわざ泳ぎだけを目的に来る人もいるそうです。
そして、ここはナポレオン・ボナパルト(1769~1821年)の生誕地。
生家は観光スポットになっています。
反フランス感情の強い地から、フランスの英雄が生まれた。
何というパラドックス~❗
ロシア嫌いが多いジョージア(グルジア)生まれのスターリンが、後にロシアを軸にしたソ連の指導者になったのとよく似てますね。
島に来てまだ2日目ですが、思うがままに雑感を書かせてもらいました。