武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

ケルト スペインひとり旅(2016年9月)

スペインひとり旅(3)

投稿日:

マドリッドのバスターミナルから2時間少し、バスに揺られ、アレナス・デ・サン・ペドロ(Adenas de San Pedro)という山間の町に到着。

高度があり、涼しい。

避暑地ですね。

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ここに来たのは、ケルト・イベリア人が建造したとされる4体の牡牛の石像を見るためです。

その名もToros de Guisando(ギサンドーの闘牛)。

Guisando村は町の東方5キロほどにあり、バスが1日に1本しかありません。

地図をゲットし、バスの時刻を確認するため、観光案内所に行くと、スタッフの女性が「その石像はそこにありません」。

えっ❗

以下、英語の会話の要約。

「ギサンドー村にないんですか?」

「牡牛の名はギサンドーですが、場所が違うんですよ」

「ほんならどこにあるんですか?」

「この町から70キロほどマドリッド寄りです」

ありゃ、通り越してしまっていた。

というより、Guisandoの地名に惑わされた~(*_*)

「車なら、すぐですよ」

「それが車ないんです。バスで行けますか? どこの村で降りたらええんですか?」

「えっ、バスですか……。車でしか行けないかも……」

お姉さん、困ってはったので、この段階で質疑打ち切り。

とりあえず、県の地図をもらい、自力で行こうと決めました。

午後1時発のマドリッド行きのバスに乗り、地図とにらめっこして、一番、近そうな村で下車。

ほんまに小さな村でした。

そこから目的地まで6キロほどある。

タクシーしかない。

そこで、村のバルでビールを飲み、タクシーを呼んでもらったのですが、夕方にならないと来れないみたい。

何でやねん⁉

シエスタ(午睡)か……。

往復で12キロ。

よっしゃ、こうなったら、歩くしかしゃあない。

「サンチャゴ巡礼」と思い(笑)、炎天下、メセタを歩きましたがな。

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普段、ランニングをし、インドを経験しているので、酷暑の中を歩くのは意外と楽チンでした~(^-^)v

しかし近道しようと広大な農園に入ったのが間違い。

小道がいくつも走っており、そのうち方向がわからなくなりました。

困った、困った!!

半泣きになっていたら、向こうの方から砂煙が~❗

「車や!」

心がときめいた。

「おーい、おーい! こっち、こっち!」

無人島の漂流者が沖を航行する船に向かって手を振りながら大声で叫ぶ、あの仕草と同じです。

運よく、こちらを察知してくれました。

どうやら農園の人みたい。

「オラ!」

運転席の男性は、当然ながら、何でこんなところに東洋人が歩いているのか驚いてはりました。

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英語を解せないその人に牡牛の写真を見せ、道を教えてもらったら、「乗っていきなさいよ」(もちろんスペイン語で!)。

やった~❗

ほんまに人のいい男性でした。

3キロほど乗せてもらい、目的地に到着。

別れ際に記念撮影。

「闘牛の前なので、闘牛士のマントを持って写真を撮りましょう❗」

おそらくこんなことを言うてはったと思います。

車のトランクからピンク色のマントを取り出し、可愛いお嬢ちゃんに、パパさんとツーショット~(^-^)v

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ムチョス・グラシアス~❗(ほんまに、おおきに、ありがとうございます❗)

2人の娘さん、めちゃめちゃ愛想よかった。

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そして牛たちと出会えました~\(^^)/

マドリッドを発ってから7時間後。

何でも諦めたらあきまへん~(笑)

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「暑い最中、よぉ来てくれはりました。ご苦労さんです」

牛たちの声をしかと耳にしました。

実に思い出深い小旅行になりましたわ~(^-^)v

-ケルト, スペインひとり旅(2016年9月),

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。