武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

南インド紀行(2015.2.14~27)

南インド紀行(4)~インド亜大陸最南端でイェーツ~(^O^)/

投稿日:2015年3月4日 更新日:

カニャークマリ。

 

西洋人が「コモリン岬」と呼んでいるインド亜大陸最南端の地です。

 

眼の前に大海原が広がっていました。

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真正面がインド洋、左手がベンガル湾、そして右手がアラビア海。

 

3つの海が交わるところで、聖地とされています。

 

岬の少し北東にヒンドゥ教のクマリ・アンマン寺院もあり、多くの巡礼者が訪れていました。

 

右手に眼をやると、ガート(沐浴場)で海水に身を沈め、清めている人たちの姿が……。

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砂浜にはシヴァ神のリンガ(道祖神)が祀られていました。

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よく知られている北インドのバラナッシュ(ベナレス)の雑然としたガートの雰囲気とは異なり、ここは実に穏やかです。

 

みな、のんびりしてはります。

 

左手には、6世紀の高名な詩人ティルヴァッルヴァルの立像(高さ40.5㍍)が屹立する島と記念堂が建つ島が浮かんでいます。

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それがカニャークマリのシンボルになっています。

 

確かに絵になる光景ですね。

 

ホーッ、素晴らしい~!

 

ふと手前に視線を落とすと、女性たちが海辺で戯れていました。

 

これはきれいな光景だと思い、あわてて激写。

 

サリーの女性は美しい~♪♪

 

絵はがきになりそうな構図ですね。

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ここに来るのが目的だったので、ひとり悦に入っていました。

 

それにしても、意外と簡単にやって来れた。

 

〈さぁ、そろそろ行動に移そうか~〉

 

大きく深呼吸をし、海に向かって、ワン・ツ・スリー~!

 

「イェーツ~!!!!」~(^O^)/(^O^)/

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静寂が漂っていた聖地に絶叫がとどろき、周りの巡礼者がぼくの方に視線を集中させましたが、それも一瞬のことで、すぐに元の秩序に戻りました。

 

よかった、よかった~(^_^.)

 

それも旅の3日目にして実現できたのだから~!!

 

ひょっとしたら、「騒乱罪」で逮捕されるんちゃうかと思っていましたから~(笑)

 

ともあれ、これで還暦の記念をきちんと胸に刻むことができました。

 

叫んでいる写真は「ヤラセ」です~(笑)

 

ぼくの声に驚いていた大学生の男の子に撮ってもらったもの。

 

近郊にある工科大学に通っており、友達とここに遊びに来たと言っていました。

 

こざっぱりした服装で、確かに巡礼ではなかったです。

 

「ここで絶叫するためにインドに来たんやで」

 

そう言うと、彼はあ然としていた~(^_^.)

 

念願叶って充足感を抱きつつ、フェリーで記念堂の島に渡りました。

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乗船前に救命胴衣を着用せねばなりません。

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目と鼻の先にあるのに、えらいたいそうな~。

 

ぼくは一番前の席に座ったのですが、島とのちょうど中間ポイントで大波を受け、開いている窓からドッと海水が入ってきて、びしょ濡れになってしまった~(*_*)

 

他の乗客から笑われましたわ~(笑)

 

でも、船内の気温は35度もあり、ギラギラと照りつける陽光で、すぐに乾きました。

 

ノープロブレムです。

 

島から眺めた岬も素敵でした。

 

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本土に戻ってから、岬の北側の漁村に足を運びました。

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漁を終えた漁師さんが網を修繕してはります。

 

これもなかなか絵になる情景です。

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強い潮風に立ち向かい、堤防の先端まで歩きました。

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あ~っ、気持ちがいい。

 

漁村には立派なカトリック教会が建っていました。

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南インドは、ヒンドゥ教だけでなく、キリスト教とイスラム教の信者も少なくありません。

 

どうしてそうなのか?

 

その理由が少しずつわかってきました。

 

それは後々、お伝えします。

 

ともあれ、カニャークマリは気に入った。

 

よし、ここで3泊しよう~(^-^)

-南インド紀行(2015.2.14~27)

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。