カニャークマリ。
西洋人が「コモリン岬」と呼んでいるインド亜大陸最南端の地です。
眼の前に大海原が広がっていました。
真正面がインド洋、左手がベンガル湾、そして右手がアラビア海。
3つの海が交わるところで、聖地とされています。
岬の少し北東にヒンドゥ教のクマリ・アンマン寺院もあり、多くの巡礼者が訪れていました。
右手に眼をやると、ガート(沐浴場)で海水に身を沈め、清めている人たちの姿が……。
砂浜にはシヴァ神のリンガ(道祖神)が祀られていました。
よく知られている北インドのバラナッシュ(ベナレス)の雑然としたガートの雰囲気とは異なり、ここは実に穏やかです。
みな、のんびりしてはります。
左手には、6世紀の高名な詩人ティルヴァッルヴァルの立像(高さ40.5㍍)が屹立する島と記念堂が建つ島が浮かんでいます。
それがカニャークマリのシンボルになっています。
確かに絵になる光景ですね。
ホーッ、素晴らしい~!
ふと手前に視線を落とすと、女性たちが海辺で戯れていました。
これはきれいな光景だと思い、あわてて激写。
サリーの女性は美しい~♪♪
絵はがきになりそうな構図ですね。
ここに来るのが目的だったので、ひとり悦に入っていました。
それにしても、意外と簡単にやって来れた。
〈さぁ、そろそろ行動に移そうか~〉
大きく深呼吸をし、海に向かって、ワン・ツ・スリー~!
「イェーツ~!!!!」~(^O^)/(^O^)/
静寂が漂っていた聖地に絶叫がとどろき、周りの巡礼者がぼくの方に視線を集中させましたが、それも一瞬のことで、すぐに元の秩序に戻りました。
よかった、よかった~(^_^.)
それも旅の3日目にして実現できたのだから~!!
ひょっとしたら、「騒乱罪」で逮捕されるんちゃうかと思っていましたから~(笑)
ともあれ、これで還暦の記念をきちんと胸に刻むことができました。
叫んでいる写真は「ヤラセ」です~(笑)
ぼくの声に驚いていた大学生の男の子に撮ってもらったもの。
近郊にある工科大学に通っており、友達とここに遊びに来たと言っていました。
こざっぱりした服装で、確かに巡礼ではなかったです。
「ここで絶叫するためにインドに来たんやで」
そう言うと、彼はあ然としていた~(^_^.)
念願叶って充足感を抱きつつ、フェリーで記念堂の島に渡りました。
乗船前に救命胴衣を着用せねばなりません。
目と鼻の先にあるのに、えらいたいそうな~。
ぼくは一番前の席に座ったのですが、島とのちょうど中間ポイントで大波を受け、開いている窓からドッと海水が入ってきて、びしょ濡れになってしまった~(*_*)
他の乗客から笑われましたわ~(笑)
でも、船内の気温は35度もあり、ギラギラと照りつける陽光で、すぐに乾きました。
ノープロブレムです。
島から眺めた岬も素敵でした。
本土に戻ってから、岬の北側の漁村に足を運びました。
漁を終えた漁師さんが網を修繕してはります。
これもなかなか絵になる情景です。
強い潮風に立ち向かい、堤防の先端まで歩きました。
あ~っ、気持ちがいい。
漁村には立派なカトリック教会が建っていました。
南インドは、ヒンドゥ教だけでなく、キリスト教とイスラム教の信者も少なくありません。
どうしてそうなのか?
その理由が少しずつわかってきました。
それは後々、お伝えします。
ともあれ、カニャークマリは気に入った。
よし、ここで3泊しよう~(^-^)