『Come Fly Away(カム・フライ・アウェイ)』
ニューヨークからトップクラスのダンサーが大挙来日~との触れ込みのダンス・ミュージカルを、きょう(19日)、兵庫県立芸術文化センター(西宮市)で観てきました。
フランク・シナトラの生涯を綴ったドラマ仕立てのミュージカルと思いきや、全然、ちがっていた。
カウント・ベーシーのバンドを真似た(?)フル・バンドがシナトラのボーカルに合わせて生で演奏し、そこにバリエーションに富んだダンス・バレイが加わる。
その踊りがかなり巧い!!
言わば、音楽と舞踊の融合。
それもシナトラの曲ばかり。
芝居を観に来た人はガッカリしたかもしれないけれど、シナトラのサウンドに浸りたいと思った人は大満足だったでしょう。
ぼくは後者なので、十分、楽しみました(^o^)v
『New York New York』『Fly me to the moon』『You make me feel so young』『Wichcraft』『Come fly with me』……。
間断なくシナトラ・サウンドのオンパレードでした。
いやーぁ、すごかった~♪♪
『My Way』が2度、流れたのは余計やったけど、コンピューター処理され、驚くほど通るシナトラのボーカルは、擬似的とはいえ、やはり堪能させられました。
ラストは『My Way』ではなく、『All the way』あたりでシブく締めくくってほしかったなぁ。
ぼくがシナトラを聴いたのは大学生のときです。
当時、ジャズ(もちろんブルースも)にはまっていました。
でも、ジャズは黒人(アフリカ系)でないとアカンとストイックになっていまして……。
しかもボーカルはいまひとつ興味がなかったです。
あくまでも楽器で勝負!!
ところがジャズ好きの友達から、エラ・フィッツジェラルドのアルバムを貸してもらったのを機に、ジャズ・ボーカルもいいなと思うようになって。
そこから白人のボーカリストも聴くようになり、いつしかジャズ=黒人音楽という図式が壊れ、「ええモンやったら、ええねん」と寛大になっていきました。
そのなかにフランク・シナトラがいました。
マフィアとの深い関係が常にうわさされているイタリア系の胡散臭いおっさん。
マリリン・モンローやローレン・バコールら大女優らと浮名を流していたプレーボーイでしたしね。
当時、そんな嫌なイメージが強かったけれど、あの深みのある甘い声が次第にぼくを虜にしていきました。
ショウ・ビジネス界はまぁ、そんなモンやろ~とこちらも大人になっていたんですね。
シナトラは1940年代や50年代が一番ノッていましたが、ぼくは晩年のアルバムが大好き。
アレサ・フランクリン、バーバラ・ストライサンド、フレオ・イグレシアス、トニー・ベネットら実力派の大物と共演した『デュエット フランク・シナトラ&フレンズ』(93年、Capitol)。
吹っ飛びました!
シナトラを再評価しました!
声に温かみが出てきて、まさに円熟味ですな~、ほんま、ええ塩梅。
とくにU2のボノとデュエットした『I’ve got you under my skin』は最高の出来です~♪♪
つづく『デュエットⅡ』(94年)も名盤でした!
スティービー・ワンダー、ウィリー・ネルソン、ニール・ダイヤモンド……。
いま、その『デュエットⅡ』のごきげんなナンバー『Mack the knife』(ジミー・ブフェとの共演)を流しながら、ブログを書いています。
そんなわけで、久しぶりにシナトラの世界にどっぷり浸れ、素敵な1日となりました。