武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

音楽

ジョージ・ハリスンの軌跡を綴ったドキュメンタリー映画~♪♪♪

投稿日:2011年11月4日 更新日:

ハリスン!
© 2011 GROVE STREET PRODUCTIONS LIMITED.
ビートルズの元ギタリスト、ジョージ・ハリスンが58歳で亡くなってから、早いもので10年になります。
命日は、11月29日。
それに合わせたのか、彼の人生の軌跡を綴ったドキュメンタリー映画『ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』が公開されます。
監督は、ギャング映画『ディパーテッド』(2006年)でオスカーを手に入れた名匠マーティン・スコセッシ。
この人は、骨太な人間ドラマのほかに、ザ・バンドの解散コンサートを活写した『ラスト・ワルツ』(1976年)やザ・ローリング・ストーンズの極上ライブを映像に焼き付けた『シャイン・ア・ライト』(2008年)など音楽ドキュメンタリー映画も積極的に撮り続けています。
上映時間は3時間30分。
途中で休憩が入り、2部構成になっています。
かなり長尺ですが、あっと言う間に観終えた、そんな印象を受けました。
未公開映像と未発表音源がいっぱいあり、自称「ビートルズおたく」のぼくもあ然~!
上映終了後、十分すぎるほどの満足感から頭がボーッとして、立ちくらんでしまった。
帰宅後、すぐにギターを手に取り、ジョージの代表曲『サムシング』と『ヒア・カムズ・ザ・サン』を絶唱~!
なにしろジョージ・ハリスンはぼくの一番好きなミュージシャンですから、無理もありません。
ビートルズ時代、彼はジョン・レノンとポール・マッカートニーという2大巨頭のせいで、霞んでいました。
見るからに、シャイでおとなしそう。
どこか翳りがあり、ちょっぴりナーバスなところも感じられました。
実はユーモア精神にあふれる皮肉屋だったんですがね。
それゆえ、「隠れたビートル」と言われていました。
ステージではキョロキョロして落ち着きのない所作を見せ、ギター・テクニックも決して上手いとは言えなかったです。
ボーカルも、ジョンとポールに比べると、音域がせまく、歌唱力も劣る。
でも、ぼくはジョージに惹かれました。
元々、マイナー志向とあって、目立つ存在は敬遠する傾向があり、高校時代、ビートルズにのめり込んだぼくは、最初からジョージに興味を示しました(リンゴさん、無視してすんません!)
といっても、高校入学と同時に、ビートルズは解散したのですが……。
それでもアルバムを買い求め、彼らのサウンドに無我夢中~♪♪
ファンなら当然ですが、ジョージのファッションや髪型をマネたりして、できるだけ距離を近づけようと努めていました。
大学に入学後も彼のことが頭から離れず、愚かにも、口ひげを生やして、ますます“ジョージ化”しようとしていたのです(今の口ひげも多分に影響ありです)。
アホですね(笑)。
ソロアルバムが出るや、レコード店に駆けつける。
音楽雑誌にジョージの近況が載るや、むさぼるように読む。
そうした状態は社会人になってからも続きました。
完全に病気~(☆_☆)
s-GHサブ5shou
© 2011 GROVE STREET PRODUCTIONS LIMITED
© Jean-Marie Perier
© Photos 12
1991年、エリック・クラプトンと一緒に来日公演したとき、大事な仕事そっちのけで大阪城ホールへ駆けつけ、かぶりつきで見ました! 聴きました!
これで会社をクビになってもカマヘンわ。
そんな覚悟をして、初めて目にするジョージのステージに興奮していました。
ビートルズのデビュー当時、ジョンとポールに遠慮して、ジョージはほとんど曲作りをしなかったけれど、アルバム『ラバーソウル』(1965年)から本格的に彼の曲が入るようになってきました。
『ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウイープス』のブルージーなサウンド。
『オールド・ブラウン・シュー』の軽快な疾走感。
『サムシング』のとろけるようなメロディー・ライン。
『ヒア・カムズ・ザ・サン』の口ずさみたくなる晴れやかさ。
『アイ・ミー・マイン』の哀愁を帯びた音調。
『フォー・ユ・ブルー』のちょっぴり枯れた味わいのブルース。
ソロになってからでは……。
『ラン・オヴ・ザ・ミル』の切れのいい律動。
『慈愛の愛/ラヴ・カムズ・トゥ・エブリワン』の突き抜けた爽快さ。
好きな曲をと言えば、それこそ枚挙にいとまがありません。
ジョージが作る曲はどれもひと癖あると言おうか、独特な節回しが特徴で、それがぼくの脳細胞を心地よく刺激するみたいです。
あのコード進行はだれにもマネできないでしょうね。
彼のギターはロックン・ロール(あるいはロカビリー)を基盤にした奏法で、ゆめゆめ速弾きではなかったです。
初期のころはぎこちなかった。
でも、ビートルズの後期になると、非常に味のあるギター・プレーを披露してくれました。
『サムシング』の間奏なんて、ホンマ、素晴らしいです!!
インドに傾倒してから、精神性を重視するようになり、それが音楽にモロに投影されていきました。
『マイ・スウィート・ロード』に象徴されるごとき、神(創造主)やハリ・クリシュナを臆面もなくたたえる歌詞には正直、ちょっとついていけないときもありました。
あまりにもストレートすぎるもの。
それでも、彼の音楽は依然としてぼくを魅了し続けたのです。
ぼくは今、ギターにはまっており、無謀にもライブ(11月20日)までしようと思っています。
ギターを弾いているときも、オリジナル曲を作っているときも、どこからともなくジョージのサウンドが耳に聞こえることがあります。
ぼくの「音楽の神サン」に彼が付き添っているのでしょうか。
よくよく考えると、ぼくに一番、影響を与えたミュージシャン、それがジョージ・ハリスンだったといえます。
映画のなかでは、彼が手がけた27曲のほか、ビートルズやエリック・クラプトン、ボブ・ディランらの作品を合わせ50曲以上が流れます。
音楽だけでなく、FIや映画などいろんな世界の人たちと幅広く交友関係を築いていたことが再認識できました。
だからインタビューに出てくる人物の数が半端ではありません。
ポールとリンゴ・スターはこれまで知らなかったエピソードを教えてくれました。
病床に伏すジョージを最後に見舞ったときのリンゴのエピソードは泣かせます。
ジョンは鬼籍に入っているので、インタビューは不可能ですが、せめて生前にジョンがジョージについて語ったコメントを聞きたかったなぁ。
一番、面白かったのは、ジョージの妻パティが親友のクラプトンに取られたいきさつを、クラプトンとパティ自身が証言しているところ。
「ジョージの妻に対し、抑えることのできない感情が芽生えた」とクラプトンが吐露し、その気持ちをジョージにぶつけたそうです。
その時、ジョージの放った言葉がすごい!
ぼくにはとうてい言えない。
ここでは明かしません。
ぜひ映画のなかでチェックしてください。
つらつらと書き綴ってしまいました。
ジョージ・ハリスンのことになると、つい熱が帯びてしまいます。
まだまだ書き足りませんが、この辺りで止めておきましょう。
最後に、この映画は1人のミュージシャンの熱い生きざまに肉迫しており、ドキュメンタリー映画としても良質の作品です。
見応えありです!!
ともあれ、ビートルズのメンバーの中では地味な存在だったジョージの映画ができるなんて夢にも思っていなかっただけに、喜びもひとしお。
スコセッシ監督に深謝です。
素敵な1日になりました。
☆映画は、19日~12月2日の限定上映。関西では、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、京都のMOVIX京都で。

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。