武部好伸公式Blog/酒と映画と旅の日々

ケルト文化に魅せられ、世界中を旅するエッセイスト・作家、武部好伸。映画と音楽をこよなく愛する“酒好き”男の日記。

映画

マレーシア人監督が撮った大阪映画~『新世界の夜明け』

投稿日:2011年11月3日 更新日:

大阪のシンボル通天閣がそびえる新世界。
そこを舞台にした映画を、今朝、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで観ました。
『新世界の夜明け』
地名がそのままタイトルになっています。
新世界(2)
中国・北京で暮らす金持ちの娘が、クリスマスを大阪で過ごそうと新世界にやって来て、ちょっとトラブルに巻き込まれるという物語です。
垢抜けしたモダンな北京と、昔ながらの庶民的な風情を宿す大阪・新世界。
2つの街の違いを際立たせ、人の情をやんわりと浮き彫りにしているところがよかった。
新世界の住人がめちゃめちゃ人間くさく描かれています。
やや類型的な大阪人が登場していましたが、そこは大目に見ましょう。
新世界で9割以上、撮影されました。
新世界(3)
監督は、マレーシア人のリム・カーワイさん。
大阪大学と北京電影学院で学んだことのある青年で、大阪の笑いをうまく映像に盛り込んでいました。
上映後、カーワイ監督と子役の小学5年生の男児(友長光明)が舞台挨拶。
新世界(1)
見るからに人の良さそうな監督さん。
流暢な日本語で映画について説明してくれはりました。
「17年前、新世界を訪れ、昔の日本が残っていると感じました。日本で映画を撮るときはそこを舞台にしたいと思ったんです」
「主人公の女性が新しい世界に飛び出す。そういうことも含め、新世界にしました」
子役の友長君は「撮影のとき、寒かった」と。
カーワイ監督の次回作は、中崎町を舞台にした作品らしいです。
またも大阪映画!!
レトロな雰囲気が漂っている個性的な街がよほどお好きなんですね。
カーワイ監督、応援していますよ。
大阪映画を撮ってくれるこの外国人監督に喝采~!!!
☆『新世界の夜明け』は、午前10時半と午後8時40分~の2回(11月4日まで)、5日~11日は午後8時40分~の1回上映。

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プロフィール

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武部好伸(タケベ・ヨシノブ)
1954年、大阪生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本ペンクラブ会員。関西大学非常勤講師。